比喩表現と心理描写が多彩で、主人公の心の葛藤、悩み、諦め、淡い期待。そんな感情が波のように押し寄せます。その節々で、主人公の置かれている現状がすんなりと頭に入ってきます。「僕」と「あの人」の結末を、見たい。けれど、少し怖い。ポエティックでミステリアスで、「こんな現代ファンタジーの切り口があったのか」と思わされました。
夢と現実と記憶が交錯する曖昧な世界を、鮮やかな筆致で書き上げた現代ファンタジー。背筋がぞくっと寒くなるような描写にホラー要素も感じます。短いながらもジェットコースターのような緩急もあり、ハラハラしながら楽しませて頂きました。禁断の恋というには軽すぎる。立ち入り禁止な恋。絶対そっちに行っちゃダメなヤツです(笑)
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