努力も才能も、遠くにあるから輝いている

薬品によって人の才能を意図的に引き出せるようになった世界が舞台の作品です。
処置済みの人間と未処置の人間はそれぞれ普通と変わりない人間のまま描かれていますが、未処置の人間は少しだけ色々な努力を強いられるようです。例えばの主人公(?)北畠は、未処置なので記憶力が処置済みに劣る分、勤勉に本を読んだりとか。
この作品は努力に勤しむ人間と才能を引き出された人間、それぞれのマイナス側面を描いているのが興味深いです。
隣の芝生は青く見えるなんて言います。それを示すように、作中で出てくるその薬品はとある問題が浮上してくるのですが……。

努力。打ち込むこと。やりこむこと。何1つ成功なんて約束してくれない……。
この作品はそんな普遍的な煩悩に1つ、明るい答えを出してくれると思います。ぜひ読んでみてください。