第9話 私の彼氏は②
「浮気――じゃなくて……。えっと……」
マジで何言ってんだ、私。は、早く訂正しなきゃ――
「あのね――」
「大丈夫だよ」
「……え?」
恐る恐る私は彼と目を合わせる……。すると彼は笑みを浮かべて、こちらを見ていた。
「にゃおーん……」
「……へ?」
「なんちゃって。また猫と遊んでたんでしょ?」
「な、なんで……」
「だって、みーちゃん、前も野良猫相手に浮気したーって言ってさ、泣いて帰ってきたことあったし」
「そ、そんなのあったっけ」
「あったあった。まぁでも、みーちゃんは覚えていないかも」
「え?」
「会社の飲み会帰りで、酔っ払ってたし」
「そ、そうなんだ……」
お、覚えてない。不覚。私ってやつは……。
「ごめん! 帰りに猫ちゃんと……その、戯れちゃいました」
すると彼は、
「今回も楽しめた……かにゃ?」
ニコッと気さくな笑顔で私を見つめた。
「うん……」
「ふふ。なら良かった」
私はこの笑顔にいつも救われている。
それでも私は触りたい。 五池真礼 @maayagoike
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。それでも私は触りたい。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます