案山子さん
海藍
案山子さん
私は会社に勤めている極めて一般的な人間だ。
私の自宅は田舎にあり、会社まではいつも車で30分ほどかけて通勤している。
そんな私の近所に、おばあちゃんがいる。
おばあちゃんは
古い家(かなりボロい)に住んでいて、家の横にある小さな畑で作物を育てているようだった。
ピンクの作業着に、泥をかぶったほっかむりをしている
いつも車の中から見ているため、草刈り機のエンジン音はわからないが、きっと草刈りをしているのであろう、と私は思っていた。
そんなある夜。
私は会社の残業で夜遅く、車を運転していた。人通りがなく、車のライトが目立ったっていた。
そろそろ家が近くなってきたとき、畑のそばに人影が見えた。
ピンク色の作業着に、泥汚れの目立つ手拭いをほっかむりにしている。手には草刈り機を持っていた。
私はその姿に見覚えがあった。
「
私はびっくりしながら車を
こんな時間まで畑仕事をしている人なんて見たことなかったため、「何しているんですか?」と声をかけようとした時だった。
私は急いで
近づいてみてみると、
ふと違和感を感じた私は
ははーん、と私は納得して
畑に毎日立っている
なぜ私は気づかなかったのだろうか。私はそう思いながら車に乗り込んだ。
次の日の朝。
私は普段より早く起きて
母に昨日のことを話すと、「あやこ?そんな人知らねえよ。」と返されてしまったため、自分で調べようと朝早く起きてみたのだ。
「あら、おはようござんす。その案山子、気になるんか?」
後ろからふふ、という笑いとともに柔らかい声がした。
「
後ろを振り向くと
「その案山子が着てるのはね、私の旦那さんが買ってくれたものなのよ。」
「旦那さんが死んでしまった時はつらかったけど、今は幸せなのよ。」
私はえっ、と
私はもう一度、
その時、への字に曲がった
案山子さん 海藍 @2mm_world
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