主人公の高校一年生、五十嵐櫂。
櫂のクラスメイトの女の子、東雲紅葉。
櫂と紅葉は平凡な高校生――というだけではなかった。
月瀬万里。
彼が営む『何でも屋』――もとい、『祓い屋』の手伝いをしているのだ。
人の心に住む怪異を退治する現代ファンタジーものなのですが、注目すべきは個性豊かな登場人物です。
主人公の櫂は優しい性格の持ち主。決して強い! とか格好良い! を全面に出したキャラクターではなくて、だからこそ彼の成長物語にもなっているんです。
ヒロインの紅葉は女の子だけどとてもイケメンなキャラクターです。でもポンコツな部分もあって、王道なヒロインとはまた違った魅力に溢れています。
万里さんは悔しいけれど格好良い、という言葉がしっくりとくるキャラクターです。櫂が気弱だからこそ引き立つ魅力があって、ある意味もう一人の主人公かも知れません。
シリアスとコメディのバランスが素晴らしい現代ファンタジー。
皆さんも祓い屋の日常を覗いてみませんか?
読みやすくも心にぐっとくる、おすすめの作品です。
怪異退治ものです。
この手のジャンルでは(主に少年漫画方面)主人公が異能をもって怪異を退治する場合が多いですが、本作の主人公たる五十嵐櫂くんはさして特別な力も持たず、ヒロイン兼ヒーローの特攻イノシシ娘たる東雲紅葉ちゃんの相方として登場します。
主人公は、基本的に語り部で、観測者の立場が割り振られています。
それが、何の力もない一般人から見た“怪異”の不気味さを引き出しています。
妖怪や都市伝説に絡めて、明確な名前を付けたモンスターとして描写したくなるところですが、あえて、その存在を曖昧模糊としたまま扱い、一部の存在を認知した人々の手によって主人公にはもう一つ訳が分からないまま祓われていくところが、妙なリアリティを感じさせました。
主人公たちの上司にあたる万里さんのキャラが良いですb
最新投稿分まで拝読させていただきました。
怪異を祓う人々の物語ということもあり、特別な力を持つ人物もいる中、主人公は現時点でなんの力も持たない人物という設定で、ある意味読者の立場に近い視点で序盤の物語が進みます。
この視点がスムーズに世界観に読み手を浸らせ、続けて物語の中の彼らの感情の動きに親しませてくれました。
主人公の要所要所で挟まれる独白が、いかにも少年のぼやきの様で面白いです。
そして現代日本ベースの何でも屋という設定。これが興味をそそり、ワクワクした気持ちにさせてくれました。
なにより作中で頼れるポジションの万里。彼のデザインが魅力的で、次の活躍に期待してしまいます。
次のお話の展開が気になります。これからも楽しく読ませていただきますね。