思い出が輝き出す、4SEASONS

放送室も、学校とともに利用する生徒たちを見守りながら送り出してきたことに気づかせてくれる作品。
利用する人だけでなく、利用される場所も数々の思い出をもっているものである。

人間以外が主人公な作品は珍しい。
だから書き出しのセリフ「明るい声が、僕──放送室の中から学校の至る所に響き渡る」は斬新に感じた。
放送室の視点で書かれているところは面白い。

最後、放送室の「これでこの祭は終わるが、私はこの校舎とともに、人々に忘れられるまで残り続けるのだろう」と気持ちが語られて終わっている。
人称が、「僕」から「私」になっている。
放送室もそれだけ年を取ったことを、表しているのかもしれない。