4 seasons for BC 〜ある放送部の軌跡〜
ミンイチ
春
春の昼
「みなさん、こんにちは!」
明るい声が、僕──放送室の中から学校の至る所に響き渡る。
この学校は今年から新たに開校した新しい高校で、階段横のスペースに造られたのが、放送室であるこの僕だ。
そして今放送をしているのは友達と協力して放送部を立ち上げた子で、初代部長として放送部を盛り上げていこうとしている。
元気がよく、周りの人を巻き込んで様々なことをしていく子で、放送部もそうやって作られた。
今回のお昼の放送が放送部として初めての放送のためとても緊張しているようだが、それと同時にとても楽しそうに見える。
その子の隣で、置いてある機材を使って音量の調節などをしているのは部長の幼馴染みで副部長にさせられた。
元々は放送部には入るつもりはなかったが、幼馴染みにせがまれ、したなく入ったらしい。
僕にはそれだけが理由には見えないけど。
今回放送されるのは人気な人の曲を3曲と、放送をしている2人の好きな曲を一つずつの計5曲で、前半に2曲を流した後に曲のリクエストの募集の告知をした後に残りの3曲を流すことになっている。
曲を流している間に2人はお昼ご飯を食べ終わり、他愛もない話をしている。
クラスの誰かがしたことであったり、ある先生が言っていたことであったり、僕にとってはどれも新しく、とても面白いことだ。
「午後からの授業も、頑張っていきましょう!」
放送が終わり、設備の電源を落として2人は教室に帰って行った。
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