果実

@chandora

第1話

初めて「狂った果実」という作品の題名に出会った時。私は18歳だった。それは、平凡な大学生1回生の時だった。

音楽のサークルに入り、興味津津でいろいろな楽曲に出会い、わけもわからず興奮気味に、知ったかぶりをしたがる自分に気付いたのもその頃だった。

ジャズ。カッコイイ。そんな純粋な自分に往復ビンタのような衝撃を与えた曲。「狂った果実」。その邦題。わからない英語の歌詞。ビリー・ホリディの切ない声色が若い私の心を鷲掴みにした。

しかし、41年後に私は、「狂った果実」を、愛した人で目視することになる。

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