あとがき・参考文献

 こちらは、WebマガジンCobalt様企画【第220回短編小説新人賞】にて「もう一歩の作品」に選んで頂きました。

 憧れの賞に名前が載り、大変光栄です。ありがとうございます。

 この話は「アントワネットに弟がいるんだ」という発見から生まれました。アントワネットの弟・マクシミリアン大公はドイツ騎士団総長を務め、ケルン大司教を務めました。ベートーヴェンのパトロンでもあります。

 そしてヨーゼフ2世より早くパリへ出向き、ルイ16世一家と親交を深めた重要な人物です。彼についての日本語資料が少ないことが残念でなりません。

 作中時期はナポレオンの進軍が始まる頃。叔父とテレーズが顔を合わせるなら、おそらくこの辺りだろうと見当をつけたのが、三月でした。これ以降テレーズはクレメンティーナとともにプラハに避難しています。

 そして、王妹エリザベート。この秋、彼女に関する初めての伝記がフランスで出版されます。エリサベートもやはりヴェールに包まれた人物です。

 この作品で三人の存在に興味を抱いて頂けたらそれに勝る喜びはありません。以下、参考文献となります。



『マリー=テレーズ王女の回想録―王家の幽閉生活に関して、1792年8月10日から弟の死まで』


 クレリー他/著 ジャック・ブロス/編 吉田春美/訳 福武書店 1989年


『マリア・テレジアとヨーゼフ2世 ハプスブルク、栄光の立役者(世界史リブレット 人【56】)』

 稲野強/著 山川出版社 2014年


『マリア・テレジアとその時代』

 江村洋/著 東京書籍 1992年


『女帝マリア・テレジア〈上・下〉』

 江村洋/著 谷沢書房 1984年


『ハプスブルクの文化革命』

 山之内克子/著  講談社 2005年


『ハプスブルク家』

 江村洋/著 講談社 1990年


『女帝そして母、マリア・テレジア ハプスブルク帝国の繁栄を築いたマリー・アントワネットの母の葛藤と攻略』

 エリザベート・バダンテール/著 ダコスタ吉村花子/訳 原書房 2022年


「マリア・テレジアからマクシミリアン宛ての書簡(1774年4月)」

『マリア・テレジアから子どもや友人にあ当てた書簡(アルネート版)

Letters de limperatrice Marie-Therese a ses enfants et amis(dir.A.v.Arneth)』

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THERESE~ある王女の逍遥~ 俤やえの @sakoron

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