【総括】「昭和じゃあるまいし」、全くだ。
「モアザンワーズ」に異議申し立てしたい一心で書き続けてまいりました。お読みくださって、本当にありがとうございます。
本編(+各話のあとがき)は終了ですが、まだまだ書き足りなくて、別枠を設けました、しつこくてすみません。
ドラマの大筋は、「親の反対で男二人が窮地に。一人は結婚、もう一人は同性の恋人を見つけて、めでたしめでたし」です。
「昭和じゃあるまいし」的感想がありましたが、全くその通りですね。これが数年前に描かれたコミックスが原作とは。
とはいえ、主演の二人、永慈役の中川大輔、槙雄を演じた青木柚との出会いは嬉しいものでした、難しい役どころに懸命に取り組んでいたと思います。
特に青木柚は、天真爛漫な高校時代と、裏切りに遭ってからの憂愁の姿のコントラストが見事。
あちこちで書いているように、私が小説書きを再開したのは、ひとえに映画「窮鼠はチーズの夢を見る」のおかげです。
「大学の先輩を慕い続けてきたゲイの後輩が、先輩と同棲にこぎつけたものの、結局別れる。先輩は婚約するが、後輩と再会し、よりを戻し、婚約は破棄」
公開は二年前、先輩の元カノと後輩が、先輩をめぐってバトル、の場面もあります。
同じく2020年に公開された映画「his」では、ゲイの父親が娘の親権を別れた妻と争う姿が描かれます。彼は昔の恋人と二人で娘を育てたいと希望、法廷シーンもあり。
ドラマでも四十代のゲイの同棲生活を描く「きのう何食べた?」は映画化もされた人気作、若い頃に色々あったらしい二人ですが、生涯のパートナーとして生きていくのだろうな、と嬉しくなります。
(「きのう何食べた?」と「窮鼠~」は、アマプラ見放題対象です。チャンスがあったら是非ご覧ください。)
これらと比較すると、「モアザンワーズ」はいかにも遅れてます。
永慈(本作では冬馬)が結婚する経緯も荒唐無稽。男たちを別れさせることが目的に感じられてなりません。時代錯誤だし、槙雄(本作では光)が恋人と友人の両に裏切られる残酷な展開。当事者や、マイノリティと向き合いたい層からは疑問噴出です。原作コミックスの感想にも、「ラストにもやもや」が多かったです。
どうしてマイノリティが幸せになってはいけないのか。
今回、美咲がレズビアンで子供を産むという設定に私はこだわりました。
レズビアンカップルの女児出産までの談話を某所で聞き、いつか書いてみたいと思いました。友人男性から精子の提供を受け、彼の親も了承とのことでした。
先日はまた、男児を設けた女性のケースも知りました。
どちらの両親も二人の関係に賛成、時代は変わっているのですね。親世代は還暦前後でしょうか。
正直、その上の世代に理解を求めるのは難しいかと、それで冬馬には、自分たちを否定した父には、「美咲はシングルマザーになった」と説明させるに留まりました。
今の若い人、学生や子供たちの親が、子供の幸せを第一に考えてくれることを願います。
長々と書いてまいりました、お付き合い頂き感謝しております。
最後に、この総括で触れました映画や、マイノリティに関する拙作のリンクを張っておきます。ご興味ありましたら、ぜひご一読ください。
今度こそ語りつくす「窮鼠はチーズの夢を見る」
https://kakuyomu.jp/works/16816452221377696740
遊びだったと言ってくれ~あいつと俺の罪な日々
(「窮鼠~」のレビューに触発された小説、性描写あり)
https://kakuyomu.jp/works/16816452220131279035
映画「his」の感想
https://kakuyomu.jp/works/16816452220305263449/episodes/16816700427715295938
誰かの罪、誰かの嘘
(「モアザンワーズ」への異議申し立て小説第一弾、ミステリー仕立てです)
https://kakuyomu.jp/works/16817330647594805999
バイバイ普通、いい夫婦
(小説書きを再開したら絶対に書きたかった作品、これもBL中心の家族ドラマです)
名もなき空の下 チェシャ猫亭 @bianco3
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