ある惑星にて

#365日ショートショート 278

　その異星人は地球の動物に似ていた。惑星は違えど、同じ起源を持つのか。あるいは神の悪戯か。

「やあ、おかえり」

「やっと帰ってきたよ。長旅だった」

　地球旅行からの帰りだった。

「それは？」

「土産だよ。といっても、随分と大きいだろう。これはね、原寸大のコピー品なんだ。地球は技術が発達していて、これくらい容易に複製できるようになったらしい。あまりに大きかったから、上半分だけに切ってもらったけど」

「なるほど、それで宇宙船にくくりつけて持って帰ってきたのか」

　それは冷たい顔をしていた。

「どうするんだい、これ。どこに置くのさ」

「向こうの海沿いのところ、あの辺なんか見晴らしが良くていいんじゃないかな。ロケーションとしても。右手を突き上げているから、遠くからでもよく見えそう」

「へぇ、まるで映画のラストシーンみたいに、映えそうだな」

　彼らはしわだらけの顔で笑った。