第10話 でっけぇおっぱいに埋もれて

 ――〝聖騎士団武闘会〟は、無事終了した。


 第081部隊が第0721部隊に編入される件に関しては、エステル騎士団長が圧倒的すぎる実力を示したことと、ニペスがあまりに無様な負け方をしたことにより廃止が決定。


 それからニペスは、騎士団長の立場から降格されることとなった。


 元々聖騎士団内の嫌われ者だったこともあり、部隊編入が職権乱用だのなんだのと追及を受けてのことらしい。


 ま、ざまあないな。


 エステル騎士団長のおっぱいを下衆な目で見た罰だな。


 さて、そんな中俺はと言うと――


「うぅ……両手が使えないのしんどい……」


 病棟の個室ベッドで絶対安静を命じられていた。


 【神の見えざる手ゴッド・ハンド】でエステル騎士団長のおっぱいを支え続けた結果、左右10本の指全てが骨折してあらぬ方向へ曲がってしまった。


 完全に負荷の限界を超えた証拠である。


 まさかおっぱいを支えて骨を折る日が来るとは思ってなかったよ……。


 人生色んなことがあるモンだな……。


「……へへ、でもでっかいおっぱい揉んで骨を折るなんて、マコトの奴に言ったら超羨ましがるだろうな」


 今頃、マコトはまだミカの貧乳で喜んで触っているのだろう。


 そう考えると、ちょっとした優越感に浸れるな。


 俺がそんなことを考えていると、


『――レンくん、いらっしゃいますか?』


 個室のドアがコンコンとノックされる。

 

「あ、どうぞ」


『失礼します』


 そう言って入って来たのは、エステル騎士団長だった。


 彼女の手にはお見舞いの果物が入った小包が抱えられている。


「どうですか、具合の方は?」


「いやぁ。両手が使えないって不便なモノですね……」


「うぅ……すみませんでした。まさかおっぱいを支えてもらって骨が折れるなんて、思ってもみなくて……」


「そ、そんな! エステル騎士団長はなにも悪くありません! 俺の骨が貧弱だっただけです!」


 ……なにも知らない人が聞いたら「コイツらなに言ってんの?」って真顔で思われる会話だよな、コレ……。


 だって普通おっぱいを支えて骨が折れるとかありえないじゃん……。


 いや実際折れたんだけどさ……。


 ともかく俺としては、エステル騎士団長に気を遣ってもらいたくない。


 俺は会話の流れを変えようと、


「それで、どうですか? 最強の騎士となった気分は?」


「正直、有名になり過ぎるのも考えものかな、と感じています。でもありがたいことに第081部隊への配属希望者も増えて、忙しくなりそうですよ。これもレンくんのお陰ですね」


「俺はエステル騎士団長のおっぱいを支えただけです。全部あなたの功績ですよ」


「いえ、それは違います」


「え……?」


「レンくんが支えてくれたのは、身体だけじゃありません。私の心も支えてくれました。だから私は臆することなく、ニペスとの戦いに挑むことができた。……もし支えてくれたのがレンくんじゃなかったら、私は臆病風に吹かれていたに違いありません」


「エステル騎士団長……」


 彼女は手にしていた果物入りの小包をテーブルに置くと、


「……そ、それで、ですね? 私はなにか、レンくんにお返しがしたいなと思ってまして……」


「いえ、お返しなんてそんな――」


「……レンくん、率直に聞きますが――私のおっぱい、好きですか?」


「――!?」


 それは、あまりにも急な質問だった。


 俺は一瞬頭の中が真っ白になる。


「そ、それは、その……」


「お願いです、答えて」


「…………好きです、かなり」


 だっておっぱい星人だもの。


 でっかいおっぱいが嫌いなワケないじゃない。


 俺は羞恥に耐えながらそう答えると、


「ふふ……なら、よかった」


 エステル騎士団長は微笑みながら言うと――突然上着を脱ぎだす。


「!? エ、エステル騎士団長……!? なにを……!?」


「……ニペスと戦っている時、思ったんです。彼に身体を触れられるなんて耐えられない、私の身体――おっぱいに触れていいのはレンくんだけだって。だからレンくんには……もっといっぱい触って、私を感じてほしいの」


 ――エステル騎士団長の裸体が、おっぱいが、露わになる。


 それは俺がこれまで見てきたどんな絶景よりもずっと絶景だった。


 彼女はベッドに座る俺の上に跨り、


「エ、エ、エステル騎士団長……!?」


「お願いレンくん……私の初めて、貰って……?」


 ――次の瞬間、俺の顔はおっぱいに包まれる。


 そして、でっけぇおっぱいに埋もれて一夜を明かすのだった。


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転生したら女騎士団長のおっぱいを支える係になった件について。 メソポ・たみあ @mesopo_tamia

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