6
私はその場所でとてもたくさんのことを学んだ。(のだと思う)
私は来年から街にある小学校に通うことになる。
みんなと一緒に。
昔のように、あの見覚えのある登下校の道を歩いて、見慣れたおんぼろの校舎の、土色の広い校庭のある小学校に一年間通うことになる。
それから私は小学校を無事に卒業して、中学生になる。(予定になっている)
その日の夜、私の体は小さく震えていた。
それは怖くて?
それとも、今までの(まるで長い、とても長い夏休みのような)とても幸福だった、楽しかった先生との森での生活が終わることが寂しくて?
私は願う。
どうか無事に小学校を卒業できますようにって。
そう星に祈る。
窓の外に見えるとても綺麗で、きらきらと輝いている星たちに願う。
……先生。
私は先生の顔を思い出す。
先生の声を。
先生との思い出を。
いろんなことを思い出す。
先生。
本当にどうもありがとう。
私は、たぶん、きっと、もう本当に大丈夫です。(なんだと思います)
私は目を瞑る。
眠るために。
明日の朝。
みんなのいる小学校に行くために。
すると世界は真っ暗になった。
真っ暗の世界の中で、私の中には先生の優しい声と先生の明るい笑顔と先生との楽しい思い出だけが残っていた。
人は誰かに褒められて伸びるんだよ。成長するんだよ。(きっとね)
また逢う日まで 終わり
また逢う日まで 雨世界 @amesekai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます