Episode 2.最初の試練

俺の名前は、焔 叶大(ほむら かなと)

そして今日は待ちに待った対レイダー組織「ソルヴ」の入隊式

俺はここでいっぱい鍛えて、戦って地球を守るヒーローになるんだ!



そして、叶大は

「ここが、入隊式の会場かか...」

目の前にそびえ立つ大きな建物の前で足を止めた


対レイダー組織「ソルヴ」の本部

レイダー侵攻の後に建造され

今では地球外の惑星や別宇宙等の観測を行い、

地球外からの反応をキャッチしたら政府と共にあらゆる対応策を講じ地球の平和を維持している

その組織を運営しているのは、レイダー侵攻の前より

「エナジー」による戦闘研究を行っていた者たちであった


「会場はここか」

かなとは入隊式の会場となる部屋へたどり着いた

扉を開けると、

そこにはたくさんの入隊希望の「高校生」たちがいた

「うわぁ、こんなに人がいるのか!...」


そこへ、

「あ、かなとー!」

こちらへ駆け寄ってくる人が...

「お?さくらじゃん! お前も入隊希望なのか?」

「うん!」

笑顔で頷く彼女の名は


華海 桜(はなみ さくら)

叶大とは幼なじみで小学校から今の高校までずっと同じ学校で、

誰とでも仲良くなれる明るく優しい女子高生である

趣味は読書や花を育てることだが

実は小学校の頃から空手をやっていて、全国大会の出場経験がある


「そっかー!お前も入隊希望なんだな、一緒に頑張ろうな!」

「うん!でもかなとよりも早く強くなってみせるもーん」

「な、 俺の方が先に強くなってヒーローになるんだからな!」

「ふふふ、相変わらずヒーロー好きだね」

「当たり前だ!ここに来るまで...」


すると、部屋の照明が消えステージにスポットライトが当たり1人の男性が照らされた

「入隊希望の諸君、今日はよく来てくれた

私はここの副司令 峯田 衛(みねた まもる)だ

今日は入隊式だが、まだ君たちの入隊を祝うことはできない」


会場は騒然としている

「どういうこと?」「なにかあるのか?」

しかし叶大と桜は

「お、いきなり戦闘訓練か?」

「いやきっとそれ以外のことよ」

と何かに期待する様子であった


「いきなりだが、君たちにはこれから入隊試験を受けてもらう」

と言い、指を鳴らすと...


叶大の目に見える全てが真っ暗になった

1度まばたきをすると...


「あれ?さくら?どこ行ったんだよって入隊式は?

あれ、ここどこだ?」

叶大は全く見た事のない街に1人佇んでいた

周りには人は誰もおらず、車も1台も走っていない

店の明かりも無く、閑散している様子であった

しばらく街を歩くと叶大は1人の少年が遠くにいるのに気づいた

「おーい!」

少年はこちらに気付くとこちらに向かって走ってくる

叶大も少年のもとへ走っていくが


次の瞬間ー

「ドォーーーーン!」

少年の後ろに上空から何かが落ちてきた

一瞬何が起きたか分からなかったがよく見ると

落ちてきたものの正体はとても大きいカニのようなモンスターであった

叶大はそれを見て驚いたが、すぐにまた少年の方へ走っていった

少年は怖くなり足がすくんで動けなくなっている

そしてカニのようなモンスターは右側のハサミで少年を攻撃しようとした

「うわぁ!」

しかし叶大が少年を持ち上げ攻撃をギリギリでかわした

そしてしばらく走り叶大たちはビルが立ち並ぶ場所に身を潜めた


「大丈夫か?」

「うん、お兄ちゃんありがとう!」

「おう!ピンチな時に助けるのは当たりだ!

とりあえず、あのバケモンを倒さなきゃな」

「でも生身でどうやって戦うの?」

「・・・ でも、やるしかない」

叶大は立ち向かうこと以外は考えてはいなかった

なぜなら彼が憧れているヒーローはこんな状況でも

絶対に諦めないからだ

「とりあえず建物の影に隠れててな?

俺がアイツを倒して一緒に元の世界に戻ろうな」

「うん!でも、お兄ちゃんほんとに気を付けてね?」

「任せろ!俺はヒーローだからな!」

そう言って少年のもとを離れていった


モンスターは隠れた叶大たちを探していたが

「おーい!ここだ! 俺と戦え!」

するとモンスターはすぐさま叶大に仕掛けてきた

叶大も攻撃の隙を伺っているが、モンスターの攻撃をかわすことに精一杯だった


「これじゃ、キリないな...

なんとかこの状況を覆せる方法を探さなきゃ...」

しかし、

「うわぁ!」

モンスターの攻撃の衝撃で姿勢を崩されてしまった

そこにモンスターが攻撃しようとしたが何とか叶大は体勢を立て直し、攻撃をかわした

しかし叶大の体力は徐々に消耗し限界が近づいていた

「俺の身体能力だけじゃどうにもならないな...

ヒーローみたいに俺も『エナジー』が使えたら...」

そして疲れの限界が来てしまい、モンスターの攻撃の衝撃で飛ばされた

叶大はとうとう追い詰められてしまった

「くそ...こんなところで...」

モンスターは徐々に叶大に迫る

そして最後の一撃を繰り出そうとする

すると叶大は苦しみながらも立ち上がった

「俺は...約束したんだ...あの小さい子供と一緒に...

元の世界へ帰るって約束したんだ...」

モンスターの攻撃が叶大に向かう


「だから!俺は絶対諦めない!」


そう喋った瞬間、叶大の胸から赤い炎が溢れ

彼を包み込んだ


「これは、俺のエナジー...?」


モンスターは彼の炎が溢れた衝撃により体勢を崩した

そして、


「アームド・オン! ファイアエナジー!」


彼は炎使いの「ヒーロー」へとチェンジした


To be continued...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Saving the World @V-Research

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ