第7話

『15:00ちょうどまで!5、4、3、2、1!!』


『スタートッッ!!!!!!』





 おっ、始まった始まった。



 わたしはスマホを持ちながら再びソファに寝転んだ。冷蔵庫にジュースとお菓子を取りに行っていたからだ。



 なんだかんだで、楽しくなってんじゃん?自分。



 わたしは、画面に流れてくるコメントを指で流しながら読む。自分と同じように、「配信おにごっこ?なにそれ??」って思いながらも、ワクワクしてるリスナーは意外と多いみたいだ。



 耳だけで鬼ごっこを聞いてもわけわかんないよなぁ、って最初は思った。


 けど…


 流れるコメントを見て、聞く鬼ごっこって、「ナントカちゃーん、あーそーぼー!!」ってしてる感じがした。自分が鬼ごっこをするわけじゃないのに。



 逃げてもないし追いかけてもない、鬼ごっこの初めての参加方法に、その遊びに、自分も混ぜてほしくなったんだ。






 鬼の足音が聞こえる。スタートしたばかりだから、まずはブラブラ歩いてるみようって感じなのかな。



 指でスマホの画面をスライドさせ、コメントを読んでいく。応援する人もいれば、自分ならこうする、なんて予想をする人もいる。




…自分だったら、どう逃げるんだろ?

…自分だったら、どう追いかけるんだろ?

 頭の中にある地図を歩きながら想像がどんどん膨らんでいく。



 あ…。



 いつか自分も参加してみたい…そんな気持ちが、ぽっと浮かんできた。


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逃げる、追いかける、聞く まっすぐだった定規 @akaitakarabako

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