書籍を複数出版されている二宮酒匂先生の新作です。
私は二宮先生の「ジンニスタン 砂漠と海の物語」がとても好きで、今でも何度も読み返しております。
テンポよく展開する物語、個性豊かなキャラクタ、そしてドラマ性。
“書きたいもの”を真っ向から描いているんだな、とばかり心意気が伝わる文章で、読者のことを信じているのだなと感じたものです。
この作品には、まさにそれが宿っています。
結構情報を散りばめているのに、するすると読めてしまうテンポのよさ。
活き活きと会話を繰り広げ、時々とんでもないとぼけ方をするようなキャラクタたち。
「これこそ二宮先生! これが読みたかった!」
……と読みながらついついにやりとしてしまったものです。
そして、散りばめられている創作論。
詳らかに語るのは控えますが、中身は具体的で「これに従えば、自分ももしかしたら絵をかけるようになるんじゃないだろうか」……と思うような謎の説得力があります。
先生自身の経験からくるアドバイスなのでしょうが、二宮先生の文章力も相まって、妙に“ノセられて”しまうような不思議な力が宿っています。
読んで損はしません。
もしご興味ありましたら、是非ともご一読ください。
私は今、とてもわくわくしています。
そして、この作品がもっと他の人に広く読まれることを、切に願っています。