衰眠時間−suimin jikan

根暗木 爐維音

第1話 ふとん

『もういい!』


『なに口答えして良いと思ってるの!』

母の言葉が返ってくる。


もう何もしたくなくなる夜。

誰かに頼りたくなる夜。

もう目覚めたくない夜。


どんな夜でもいつかは来る夢。


夢の世界ではなんでもできると言われていたり

悪夢だと恐れられていたり

夢の世界は美しいと言われたり

不思議な世界だ。


考えるのはもういい、

嫌な罪悪感が白い灰となり心に積もったまま

僕はふとんの中に入った。


布団にくるまり泣きたくなるような

思いを抑えている。


ふと、眼に光が入ってきた、

お母さんがこの歳になっても寝ているか

見に来たのだろう。


枕に巻いたタオルに触れられる。

その後みた景色はとても美しかった。

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衰眠時間−suimin jikan 根暗木 爐維音 @orale_Loiene

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