第29話 君を背にのせて
主人公=泣き虫ドラゴン
(アフリカで生まれて、サバンナで暮らす若いドラゴン)
「ライオンさん、生きててくれた! ほんとうにありがとう」
「おまえは、このサバンナでいちばん、おめでたいやつだ」
ライオンは、前足を立てて、必死に起き上がろうとしますが、
できずに、うつ伏してしまいます。
「ほんとうに、そうだね。それはそうと、ライオンさん、
僕の背中は、君を運ぶのにとても便利だと思わないかい?」
「そいつは、いい提案だな。だがそのまえに、
このもじゃもじゃのタテガミを、なんとかしてくれ」
<完結>
~~~後書き~~~
【泣き虫ドラゴンの冒険記】ご笑味頂き、ありがとうございます。
過去にアフリカを旅した時に、
タンザニアの町の図書館で偶然見つけた一枚の写真から、この物語は生まれました。
かなりインパクトのある写真でしたので、私の中に、
その一枚の写真のイメージが、ずっと残っていました。
キリマンジャロ山の頂上で、凍りついたイエローパンサーの姿。
それも犬のお座りみたいな恰好で、片手を招き猫みたいに、頬の横でかしげている。
図書館を出ると、頭の中に、ある問いが浮かびます。
何故イエローパンサーは、
キリマンジャロ山の頂きに登り、凍死してしまったのだろう?
夢ノ命は、その後も、キリマンジャロ山を登りながら、
あるいは、山の麓の村で1ヶ月間暮らした時も心の中で、反芻し続けました。
まあ、今となっては良い思い出です。((笑))
10年以上たった今なら、なんだかわかるような気がするんですよね。
イエローパンサーは、最大のリスクを冒して、チャレンジしたんだ! と。
野生の本能を超えてまで、なにか成し得たかったことがあったのだ! と。
そんなイエローパンサーに敬意を表して、この物語を捧げたいと思います。
アフリカの夕陽をこよなく愛する 夢ノ命 拝
泣き虫ドラゴンの奮闘記 夢ノ命 @yumenoto
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