ペルーシュと呼ばれるモノと不思議なルールの館

　それは手離したら不安でしようがなくて────。


　その館にはルールがあった。
　御主人様の前では何があっても動いてはいけないと。
　けれど、そんなルール……此処では必要ない。
　何故なら此処では逃げる事すら出来ないのだから。

　あなたは今日からペルーシュです。そう言われ、名前を与えられ、館で生活するようになったモノ。
　それはペルーシュ──ぬいぐるみとして生活していた。けれど……。
　ペルーシュは逃げ出した。