FF14の零式と「なぜなぜ分析」
ねくろん@カクヨム
FF14の零式と「なぜなぜ分析」
戦前のドイツの保険業界や1970年の米国の航空機業界では
事故原因究明の為に、事故を研究し、防止する動きがありました。
しかし、それら事故原因の研究は単一の失敗事例を掘り下げたものであり、
活用の範囲に制限があり、普遍的な問題の指摘になりませんでした。
そのため、この研究は20年前までは製造業くらいでしか見られませんでした。
しかし、失敗を明らかにするという論理構造、それ自体は
世の中のチャレンジを伴うモノに流用可能なものではないでしょうか?
というわけで、今回は失敗や事故を究明しようとした枠組みを、
FF14零式に当てはめて見ようと思います。
■トヨタ式「なぜなぜ分析」
「なぜなぜ分析」とは、起こった事に対して、「なぜ?」を
繰り返すことでミスの原因を絞っていき、
再発防止のための対策を作っていく方法です。
〇メリット〇
「なぜなぜ分析」でやることは、なぜ?を反復することだけなので、
教育にかかるコストが低く、野良の人にもどうやって行うのかが伝えやすい。
×デメリット×
問題事象があいまいなまま、「なぜ?」を繰り返すと
根本原因にたどり着く前に、個人の責任にしてしまう。
■運用方法
煉獄4層ストンプでキャスターだけが死んでしまった。
▼それは何故か?
3回目の攻撃で満タンだったHPが0になったから。
▼それは何故か?
ストンプの威力が高すぎたから。
▼それは何故か?
D2の牽制が途中で切れたから
▼それは何故か?
ゲージの最初で使用したから。
▼それは何故か?
単純な焦り過ぎたことによるミス。
以上のことから牽制は失敗する可能性があり、
ひとつの失敗がそのままキャスターの死亡につながることが解りました。
こうなると、D2の牽制以外にも補助が必要だった事が解ります。
タンクの軽減をキャスターに投げる事を試すべきでしょう。
このように、事象に対して「なぜ」を繰り返して、
死亡の根本原因を突き詰めていきます。
最終的な結論に対して、動画やマクロの見直しや、
零式に慣れていない人でもヌケ・モレがないよう
重要項目を
対策を講じることができます。
次は、「なぜなぜ分析」で起こりがちな間違いを挙げます。
1.個人の問題にして、頑張りを要求してしまう。
「なぜなぜ分析」の結論が個人攻撃になってしまう事はその特性上避けられません。
そもそも、キャラクターを動かしているのはプレイヤーなのですから。
失敗の原因がプレイヤーなのは「なぜなぜ分析」を使わずともわかる事です。
上記の4層ストンプの例では、D2が牽制を失敗しないようにする、
これでもキャスターの死亡は回避できるでしょう。
しかし、D2は実際には失敗してしまったのです。
これではパーティの組織的な再発防止策につながりません。
失敗を犯したD2ではなく、D2以外のパーティーメンバーに
注目することの方が重要です。
2.分析の対象となる問題が
分析する問題が明確に言語化されてないと、
メンバーそれぞれに出てくる答えがバラバラで明確になりません。
これはストレスが溜まり、パーティーメンバー内がギスギスした雰囲気になります。
例えば「煉獄1層のガブガブが越えられないのは何故か?」だと
入らなかった人や、ガブられて死んだ人に矛先が向かいがちです。
ですが、「煉獄1層のガブガブの後の塔集合が間に合わない」という風に
「なぜ」の追求先を明確にすれば、回避した先で対角の塔に
走りこむことが間に合わなかったことが原因であり、
間に合わないのは、L字の回避経路を意識しすぎて外側を走っているせいであり、
内側を意識して移動することで解決できることが解ります。
〇まとめ
失敗の原因は「間違った行為」であり「間違った人」ではありません。
運用のポイントを以下に箇条書きします。
・死亡原因に具体性はあるか?
・ジョブやスキルに対する思い込みで分析していないか?
・答えがあいまい、不適当なまま次のなぜに進んでないか?
・死亡状況と、その時の行動意図が、具体的な文章になっているか?
・解決策は客観的にみて実現可能か?
なぜなぜ分析をする時は、死んだ当事者以外も、
「自分はクリアできたから関係ない」ではなく、分析に参加した方が良いです。
クリアできた人の視点や考え方が、適切な問題定義や原因に迫る助けになります。
重要なのは、死に至ったまでのメカニズムで、分析で知りたいのはそこです。
死に至るメカニズムの追及を常に考えておけば、
個人攻撃に繋がりやすいといわれる「なぜなぜ分析」も
零式攻略の一助とになるでしょう。
FF14の零式と「なぜなぜ分析」 ねくろん@カクヨム @nechron_kkym
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