第3話 空中の川と月虹のもとで‥水晶の森で逃げ惑い
闇夜には月
その高い空中にも
浮かんだ長いリボンのようにゆるかなウエーブの水の流れ、川が流れていて
空中にある川の水と月光に反応して、月虹が幾つも空に浮かぶ。
魔物から逃げ惑う水晶の森‥
巻き毛の白き髪に深紅の瞳 吸血鬼の男 彼は貴族の華やかな衣装が良く似合う
花嫁・・あの残忍な魔物、彼が飽きたら、そう、私は‥ああ、私は‥
「誰か助けて」と泣き叫ぼうと 誰も助けてなどくれない
彼はこの地の支配者でもあるから、強者には誰もが服従する そう
森の中にいる機械仕掛けの鳥たちが鳴いて、美しい声で歌を奏でているようだった。
ほのかに発光して、淡い光を放つ水晶の森の中・・
黒い花嫁衣裳で、住んでいた村の者達から差し出された私
「いた、痛い」靴の片方が壊れて、水晶で足を怪我してしまった
痛みをこらえながら私は逃げ惑う
「ああ、馨しい(かぐわしい)乙女の血の匂い、なんて誘惑的な香りだろうか?」
吸血鬼の笑い声にうっとりとした笑い声が聞こえてくるのだ。
私の血・・私に執着する吸血鬼
もしも、助かるなら、魔物から逃げ追うせるなら‥
違う場所、私を食い殺そうとする魔物のいない場所
殺された祖母は昔、幼い頃の私に言った‥。
違う区画なら魔物はいないかもしれない‥廃墟かも知れないけれど
水晶の森の奥にも通路、門があると祖母は言い、わつぃはそう聞いたのだった。
違う区画?
よく分からないけど此処とは違う国があるというのだ。
違う国へのゲート、門まで‥あそこへ行れば・・
あ、あれなの?
白い扉がほんの少しだけ宙に浮かんでいたのだった。
だけど其処で突然、私は手を握られて・・
「ああ!」「ほら捕まえた!私の花嫁」
「可愛いね 黒いベールを落としていたよ」
そう言ってから吸血鬼は私の首すじに牙を立てるのだった。
水晶の足元に赤い血の雫が流れ落ちた
FIN
紫水晶の森で‥水晶群の中で彷徨い逃げ惑う黒衣の花嫁 のの(まゆたん@病持ちで返信等おくれます @nono1
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