第12話 黒霧の間


 黒き大樹の幹に、まるで大きく口を開けるかのように――ぽっかりと開いた、その穴の前で。


 自称勇者と元姫君、そして反勇者連合を名乗るテロリストたち――総勢五十二名の少年少女たちは立っていた。


 黒い煙が怪しく漏れ出している、その不気味極まる――迷宮ダンジョンの入口にて。


 ライという名の黒い獣毛に覆われた少年は「……はいいな、皆」と、表情を引き締めて一同に言う。


「——ここから先は、文字通りの地獄だ。一秒、否、一瞬の気の緩みが無駄死に繋がる。各人、そのちっぽけな命を、せめて有意義に消費してみせろ」


 それ以上、既に語る言葉はないのか。

 いや、此処に至るまでに――こうして、この場所に辿り着くまでに、彼らはその全てを語り終えていた。


 残すは、描いた夢物語を実現させ、奇跡を成すという仕上げ作業のみ。


「よし――突入だっ!」


 そして、異世界のガスマスクのような形状の、木製の被り物を身に付けた一団が。


 漆黒の濃密な死が充満した、黒き大樹の中へ飛び込んでいく――【樹海の迷宮ダンジョン】侵攻作戦が始まった。






 ◆ ◆ ◆






 迷宮ダンジョン

 それは九十年前、世界を支配した魔王が、世界各地へと配置した――地脈の『堰堤ダム』である。


 全——八か所。

 大陸全土を巡る力の流れの要所に生み出された『迷宮ダンジョン』は、世界各地から力を吸い上げ、塞き止め、その流れの方向を無理矢理に変えて――世界の中心たる不死山、その頂上に聳える魔王城へと『世界の力』を集結させている。


 その結果、魔王城からは漆黒の黒い瘴気——『黒霧』が溢れるようになり、不死山は何人たりとも足を踏み入れることの出来ぬ『魔界』へと変わり果てた。


 だからこそ――魔王を倒す勇者を志すモノは、世界に点在する八か所の迷宮ダンジョン踏破クリアし、その機能を停止させる必要があるのだ。


 それを歴史上でたったひとり、見事に成し遂げることが出来たのが――かの『初代勇者』たるホムラ・フジカワそのひとであり。


 その後――九十年に渡り、ただのひとりも、ただのひとつとして、迷宮ダンジョン踏破クリアしたモノは、現れていない。






 ◆ ◆ ◆






 世界各地に点在する八か所のそれには大なり小なりの個性ちがいがあるが、『迷宮ダンジョン』は基本的に三階層に分かれている。


 そして、迷宮ダンジョンの入口であり、唯一の外界と繋がる空間――『第一層』は通常、『魔物製造工場ファクトリー』と呼ばれる性質のそれとなっている。


 世界各都市の魔族支配における前線基地ベースキャンプでもある『迷宮ダンジョン』は、魔族たちの手足であり兵隊である魔物を『製造』する供給源でもあり、この『第一層』はとても重要な役割を果たしている。


 迷宮から無限に湧き出る魔物たちの脅威こそが、他種族が魔族に歯向かうことが出来ない圧倒的な戦力差というものを、文字通り生み出しているのだ。

 

 だが、【樹海の迷宮】の第一層は、他の迷宮のそれとは役割が異なり――『魔物を製造つく工場ばしょ』ではなく、いうならば『魔物改造かえ工場ばしょ』となっている。


 世界で最も魔界に近い場所――『不死の樹海』に存在する迷宮ダンジョンの第一層は、通常よりも濃密な、殊更に漆黒くろい死に満ちた、である。


「————っ!!」


 意を決して突入を果たしたALUの面々も、思わずその足を止めかけてしまう。


 この世界の生物であれば、本能的に嫌悪感、身が竦むような恐怖を感じてしまう――『黒霧』。


 ダークエルフが創り出した黒魔道具イビルアイテム原型モデルとして開発、量産した、頭部をすっぽりと覆いつつも通常通りの呼吸を担保することが出来る魔道具——白魔道具スピリットアイテムを装着していると分かってはいても、思わず反射的に息を止めてしまいそうになる。


 だが、ライが言った通り、迷宮においては一瞬の気の緩みが命取り――即、無駄死に繋がる。


 故にライは――隊の先頭を走りながら告げた。


「足を止めるな!! 道は――俺が切り開く!!」


 黒い獣人は、そう叫びながら――己の頭部を守るマスクを外し。


 人間のような口から――へと変形させて。


 大きく、体内へ、漆黒の霧を吸い込んでいく。




 


 ◆ ◆ ◆






 迷宮ダンジョンの第一層の基本仕様は――『迷路』である。


 通常の『魔物製造工場』であるそれとは異なり、樹海に跋扈する強力な怪物を『黒化』する為の『黒霧』が充満する『魔物改造工場』である【樹海の迷宮】の第一層でも、その仕様は共通している。


 ワンフロアが丸々迷路となっており、この迷路内に充満する黒き霧——が、やがては魔素で構成された怪物である『魔物』を生み出し、外の世界へ解き放たれるのだ。


 黒い霧で視界を奪われる中、それでも次の階層へと上がる為の階段を探し求めて、何処に魔物がいるかも分からない闇の中を、挑戦者は手探りで進まなくてはならない。


 たったこれだけの難関を、九十年間、人類は突破出来なかった。


 だが――彼は、人類ではない。

 人類には出来ない方法で、獣の肺活量と、圧倒的な超感覚で持って、この黒闇の迷路を力尽くで攻略する。


「ウゥゥゥォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!」


 巨大な黒き獣が咆哮する。

 それは濃密な死の霧を突き抜けて、広大な迷路を駆け抜けていった。


(背後ここからじゃあ、その姿の全容は、黒霧に紛れてよく見えないが……間違いなく肉食獣だろうな。だからといってこんな咆哮方法出来とれるのは――ライさんが特別製デタラメだからなんだろう。……この黒霧の中を、ガスマスクを外して咆哮こきゅうするだけでも、普通は自殺行為――『黒い種族』だからこその荒業チートだ)


 黒霧とは、すなわち視覚出来る程に濃密な魔素である。


 その名の通り、魔族が好む、というより魔族の生命活動に必須な元素であり、黒魔力の源でもある――、である。

 

 この魔素が身体を侵し尽くす――すなわち『黒化』を果たすと、生物は魔族の支配化に堕ちたと見做され、魔族の眷属たる『黒い種族』の仲間入りを果たすことになる。


 だからこその――荒業チート

 人間よりも魔素に耐性があるからこその、安全装置ガスマスクを外し、黒霧を体内に取り込むという自殺行為たる深呼吸からの――咆哮。


(普通の人間には不可能な攻略法だ。それに、いくら魔素に耐性があるからといって、すぐに吐き出すとはいえ……樹海の黒霧を、体内に入れる――それでも、、という自信……か)


 樹海の黒霧は、他の迷宮のそれよりも遥かに――濃く、その毒性もまた別格に、強い。


 この世界で最も強大無比と呼ばれる樹海の怪物を黒化する為に、魔物の製造ではなく、黒化の侵食力へと重きをおいている特別製の魔素だ。

 一日に数度、迷宮から飛び出して樹海全体に散布する為、他の迷宮よりも圧倒的に黒霧の発生量も多い。


 だが、それを生身ノーガードで浴びることになるのだとしても、ライは白魔道具ガスマスクを外しての咆哮という攻略法を選択した。


 迷宮外にまで散布される黒霧に対する『対処法ガスマスク』を知っていた黒い妖精レベッカと、こんなふざけた方法で迷路を攻略できる黒い獣人ライ――通常では魔族に反旗を翻すなどありえない、ふたりの『黒い種族』を得たことによって、九十年ぶりの迷宮攻略の糸口が見えたからこその。


(——迷宮攻略戦テロリズム、っていうわけか……ユウヤ)


 咆哮の反響を聞き終えたのか、獣そのものであったそれからある程度は人間に近い頭部へと戻ってガスマスクを被り直したライへと近寄り、声を掛けるユウヤの背中を、ユウキは神妙な面持ちで見詰めた。


「——どうだ?」

「……大体の全容は把握できた。階段の場所も、無事に判明した。最短距離で向かうことは可能だ」


 だが、それなりの数の魔物もいるようだ――と、告げたライの言葉に、隊全体に緊張が走る。


 樹海の迷宮は、魔物製造工場ではなく、魔物改造工場だ。

 魔物を量産するという迷宮としての業務を、魔素ゼロから生み出すのではなく、樹海の怪物を黒化することで果たしている。


 だが、だからといって、迷路の中から全く魔物が生まれない、というわけではない。


「——『黒化』させる本命の魔物の『餌』とする為、定期的に低位の魔物は生まれる。初めから聞いていた情報ことだ」


 ただでさえ強力なる樹海の怪物を『黒化』する為に、『外』から黒霧を浴びせ、更には魔物を食わせることで『中』からも魔素を巡らせるという二段構え。


 こうすることで、世界で最も強い魔物である『樹海の魔物』を量産することが可能となっている。


「そもそも、この『白魔道具ガスマスク』も、あくまで急な『散布』から黒い妖精ダークエルフが逃げる為に開発した、あくまで屋内へと逃げ込むまでのに使うその場しのぎの代物だ。宛てにし続けるわけにもいかねぇ」


 先導しろさっさと走れ、ライ―—と、ユウヤが命じる。


「作戦通りだ――魔物ザコを蹴散らしながら、最短距離で迷路を突き進む」


 と、ユウヤは振り向かずに言った。


 その言葉に、ユウヤとレベッカとライを除いた――四十七名のALUたちは、ただ己が手に持つ武器を強く握ることで応えて。


 ぞろぞろと、ライの咆哮に引き寄せられるように、こちらに向かって急接近してくる低位の魔物たちの、黒い霧の中に響く足音が近付いてくる中――。


「——進めッ!! 野郎共!!」


 ライが先頭を突き進み、ユウヤが蒼い炎を揺らめかせて、レベッカが黒い風を巻き起こす中――ALUの軍勢が、彼らの前に躍り出て。


 襲い掛かって来た魔物の、その牙と爪を受け止めた。




 


 ◆ ◆ ◆






「——ライの『咆哮』で、第一層の迷路は攻略する。レベッカによる事前情報を原型ベースに他の都市の『魔道具師』に量産させた『白魔道具ガスマスク』を装着しながら、ライの後を付いていく形で最短距離を突き進む」


 お前らのガスマスクはねぇがどうすると問い掛けてくるユウヤに、元々自分たちはアリサの魔法によって『保護結界ベール』を纏うことで『黒霧』を攻略しようとしていたからそうすると伝えながらも――ユウヤの説明から幾つかの疑問が浮かび、今度はユウキがユウヤへと問い返す。


「……確かに、そのやり方なら迷路も最短で攻略できるだろうけれど――魔物はどうするんだ? 低位のそれとはいえ、樹海の迷宮の第一層にも魔物は生まれる。そんな乱暴なやり方をすれば、迷路中の全魔物が一斉に襲い掛かって来るんじゃ―—」


 そんなユウキの疑問に――答えたのは名も知らぬ戦士だった。


「寄って来る魔物は、俺たちが相手をする」


 続く言葉を紡いだのもまた、ユウキが名すら知らぬ戦士。


「その戦闘を、お前たちは見守る必要もない」


 次々と言葉を繋げていく彼らは、ユウキが名も知らぬ、四十七名の戦士たちは。


 真っ直ぐに、ひたすらに真っ直ぐに――三人の戦士だけを見据えていた。


「ただ――進め。俺たちを置いて。俺たちを踏み越えて」


 黒き妖精。黒き獣人。

 そして、蒼き炎に灼かれる――反勇者連合かれらの、可能性きぼう


「最短距離で、最短時間で――前へ進め。上へ登れ」


 そして――辿り着け、と。


 世界各地から、この最後の作戦の為に集結した、反勇者連合の精鋭たちは言う。


 自称勇者になど見向きもせずに。元姫君になど歯牙にもかけずに。


 ただ、自分たちの夢と希望を預ける――十年間を共に過ごした仲間へ。


「九十年間、誰も辿り着けなかった場所へ。世界がすっかり諦めきった奇跡を、お前たちが成し遂げろ」


 熱い期待と。確かな信頼と共に。


 その為に、有意義に消費してみせろと。


 四十七個もの――思いと共に、重い命を、あっさりと預けて。


「——ああ。必ず勝とう」


 だから、お前たちの命を、俺たちの為に使ってくれと。


 反勇者連合のリーダーは――四十七名の戦士に、そう死ねと命じた。






 ◆ ◆ ◆


 




 そして、今、目の前で――またひとりの戦士が、闇から飛び出してきた魔物によって、走り続ける戦線から引き剥がされた。


「————っ!!」


 本来は『餌』として用意される低位のそれとはいえ――紛れもなく、それは魔物。


 人類の――天敵。


「ぐ、あ――っ!!」


 筋肉を突き破る牙を持ち、容易く皮膚を裂く爪を持ち――体内に黒い血を巡らせる、魔素によって生み出される魔の怪物。


 それが、黒い霧の中から唐突に姿を現し、容赦なく飛び掛かって来る。


 樹海に放たれるそれとは比べ物にならないとはいえ――脅威でない筈がない。


 飛び掛かられ、襲い掛かられ、吹き飛ばされるように転げる、名も知らぬ戦士たちを。


 反射的に助け出そうとして、足を止めようとするユウキとアリサに。


「——止まるなッッ!!」


 そう、前方を行くユウヤと――魔物に襲われる戦士、その張本人が叫ぶ。


「驕るな! お前らの命の使い所はこの先だ!!」


 こんな所で消費などさせないと、そう叫ぶユウヤに。


 倒れ込む戦士の方を思わず振り向いてしまったユウキは――魔物に腕を噛付かれた戦士が、真っ直ぐにこちらに向ける視線に、思わず、射竦められる。


「————」


 彼らの目は――明白に語っていた。


 足を止めるな。決して振り返るな。


 俺たちの命を――有意義に消費しろ。


 辿り着け。そして、成し遂げろ。


 その為ならば、俺たちは名も無き踏み台にもなろう。


 だから、一分でも一秒でも早く、前に進め。


 一瞬たりとも――無駄にするな、と。


「————っっ!! 行こう、アリサ!!」


 未だ後ろ髪を引かれるように――あるいは、に引き摺られるように。


 足を止めようとしてしまう、手を伸ばしてしまおうとしているアリサを、無理矢理に引っ張って、前を向かせようとするユウキ。


「————ッッ!!」


 唇から血が垂れるほどに噛み締めるアリサも分かっている。


 黒霧の中に滞在できる時間には制限がある。


 白魔道具ガスマスクがどれだけ持つかは不明だ。緊急事態用のその場しのぎの代物の量産品。そして用途としては黒霧から逃げる為の物で、へと突き進んでいくことを想定した作りになっている筈がないのだ。


 第二に、本来はこの迷宮内に少なからず配置されている魔族が、こんな時の為に『黒化』され続けていた世界最強と名高い『樹海の魔物』が、いつまでも師匠ホムラたちに引き寄せられているとは限らない。唐突な樹海への侵入者の撃退を諦め、迷宮に乗り込んで来ると判明しているこちらの排除へと踵を返し、いつ戻ってきてもおかしくない。


 更にもっと言えば――迷宮の番人ダンジョンマスター

 元々は、最強の番人と名高いダンジョンマスターの不在を狙っての強襲作戦だ。まだ予定時刻までは余裕があるが、既に強襲作戦が魔族側に露呈している以上、本来の責任者たるダンジョンマスターへ連絡が届いている可能性も捨てきれない。


 つまり――時間は、全く、ない。

 一刻も早く、自分たちはこの黒い霧を抜けて、第二層へ、そして第三層へ――この迷宮の頂上へと辿り着かなくてはならない。


 黒い闇の中へと消える――名も知らぬ戦士たちを、踏み台にしてでも。


 勇敢なる彼らに背を向けて、振り返らず、見捨て続けなければならない。


 に、ここにやって来たのだとしても。


 自分の心を殺してでも――自分の命を生かさなければならない。


「……ごめん……なさい……ッ!」


 黒い霧の中に涙を捨てながら、アリサ・ゴールディは、前へと進む。


 襲い掛かって来る魔物に引きずり込まれ、戦士たちがひとり、またひとりと離脱するのに目を向けず。


 己らに直接襲い掛かって来る魔物を時折迎撃しながらも、進行を最優先に、足を止めずに、走り続けて。


 どれだけ走ったか、息が切れ、保護結界ベールの維持も辛くなってきた頃――遂に、その場所へと到着した。


「……あそこが、『第二層』へと繋がる階段だ――」


 ――と、ライが言葉を濁しながら、その足を止める。


 彼に続いて、レベッカが、ユウヤが。


 ユウキが、アリサが――そして、大きく数を減らしたALUのメンバーたちが、足を止めて。


 そして――見上げる。


「――ふん。そりゃあ、いるよなぁ。くらい」


 ユウヤの皮肉るような言葉に対して、反応するように。


 とても『餌』とは呼べない、見るからに完成形たる――巨大な魔物は、咆哮を返す。


「グォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」


 黒い闇の中でも、はっきりと、その魔物は異様な存在感を放っていた。


 まるで黒い絵具の上から更に黒い絵具を重ね塗りしたかのような威容。


 漆黒の巨体の中で、瞳だけが怪しく、黄色の発光をみせる不気味な魔物に。


「…………ッッ!!」


 ここまで何とか辿り着いた、ALUの精鋭が息を吞む中。


「——出番だぞ、ただ飯食らい勇者サマ

「……ああ」


 分かってる――と。

 名も知らぬ戦士たちが、これまで通りに前に行こうとするのを腕で制しながら、ユウヤがそう笑う――、ユウキは足を踏み出していた。


 本来であれば、ALUのメンバーが身を挺して庇うのは、ユウヤとレベッカとライたちだけの筈だ。


 それでも、ユウキやアリサまでもが、ここまで彼らに守られながら、碌に戦闘もせずに辿り着いたのは――結果を残す為だ。


 然るべき時まで、力を残す為だ。


 そして、今。

 彼らの献身に報いるだけの――力を見せろ、部外者ゲストと、反勇者連合のリーダーは脅迫おどしている。


「ユウキ!」

「大丈夫だよ、アリサ」


 道中ここまで、散々守ってもらったんだ――姫の己を案ずる声に、黒い木刀を抜いて、漆黒の魔物に向けながら、少年は言う。


「ここで守護れこたえないで――何が勇者だ」


 魔物が再び咆哮する。


 自称勇者は、そんな魔物が己が巨体で庇う、背後の巨大な階段を見据えながら――目を細めた。


「そこを通してもらうぞ、デカブツ」


 己に向かって降りかかる巨大な掌に向かって、ユウキは迷うことなく駆け出した。

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二周目勇者と二代目勇者 鶴賀桐生 @koyomikumagawa

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