「シュトルヒ」という主役にしづらい飛行機に着目した良作

WW2、東部戦線を舞台にした作品です。
主役機はドイツ空軍に所属するシュトルヒで、戦闘機などといった花形とは違った視点で描いている点が珍しい。

作中に登場するキャラクターは、凄惨な戦争の中にあってもどこか陽気で、人間味があって魅力的なので引き込まれます。
戦場の暗部についても言及されるシーンがありますが、全体的にキャラクターが前向きであるため陰気な感じはなく、スラスラ読むことができました。
文章についてもしっかりとしているため、小説として快適に楽しめます。
また、想定される時代背景についても作者様がよく勉強されているため、全体的に読み応えのある内容になって好印象でした。

シュトルヒという、空中戦向きではない機体で敵機の攻撃をいかに逃れ、生き延びるかというシーンは、迫力があり、多くの読者様にご満足いただけると思います。
完結が楽しみな作品で、お勧めします。