「ジワジワジワジワ……」のイントロから始まって、事細かに音写されたツクツクボウシの鳴き声。
まじめに読んでいたのですが、だんだん笑えて来ました!
鳥の声なども、うまい下手がありますものね。
不思議なおじいさんに、人口湖に沈んだ村―― ミステリアスな要素と、狭山の景観、不釣り合いな若いカップルのマリアージュが……こういうのを「エモい」と言うのだろうか!?
最後まで読んで、タイトルの意味と、あれだけこまかくセミの鳴き声が描写されていた理由に納得しました。
作者からの返信
綾森れん 様
コメントありがとうございます!
うふふ。笑ってもらえて光栄です☆
鶯にも個性があるし、それを真似するカッコウなんかも色々ですものね。鈴虫なんかも同じかしらって疑問に思ったら、眠れなくなった日があったのを思い出しました(笑)
エモいって、具体的にはどういう時に使うのかわかっておりませんが、やたらと周りを歩く若者は「エモい」を連発してるんです。それを思い出して作中に放り込んでみた次第でした☆
素敵な★レビューもありがとうございました!
こんばんは。
>「オーーーーーーーシッ!
もう、必死さが、蝉語を私に届くように描いてくださって、面白かった。
『水底の村』、実際に知っており、それを舞台にしたいとも思って、プロットまで書いてあるのですが、実際に物語に孕ませるように絡めると、岩盤しっかり、きめ細やかな表現もとても素晴らしいです。
ラストは、見え見えな所もキュートでした。^^!
作者からの返信
いすみ 静江 様
コメントありがとうございます!
必死だったでしょう(笑)
愛宕もここの部分は必死でした。内容からしてコメディポイントが無く、ここでしか面白く表現ができないだろうと思いまして☆
いすみさんの描く『水底の村』も興味深いですね。プロットからのその先を楽しみにしております (*´ω`*)
★レビューもいただき、誠にありがとうございます!
編集済
老人が何者だったのか、老人の言葉の意味は何だったのか、何も明かされずに読み手の想像に委ねることで、自然と読み手が主人公に感情移入できてしまう、そんなふうに思いました。すみません、ちょっと分析しているみたいで無粋ですね(笑)。満々と水をたたえた人造湖って、何か怖いように感じるところもあります。そこにポツンと一羽のカイツブリ。真夏の濃い緑。セミの声。何か不思議な風景描写でした。俳句との組み合わせが、俳句倉庫を読んできた私にツボでした。「つくづく惜しい」の意味、最後まで気がつきませんでした。ちょっと鈍かったです(笑)。とてもおもしろかった。ありがとうございました。
作者からの返信
@sakamono 様
コメントありがとうございます!
分析は愛宕も好きなのでお気になさらず。むしろ、そのような解釈を施していただけるほど深く読みほぐしていただけたことが嬉しいです。もっと、深掘りして下さい☆
人造湖の怖さ、共感できます。水面との距離が近いせいなのかなと思ったり。よく水に襲われる夢を見るのですが、川とか海とかは怖くないのに、水が溢れそうになるシーンに出くわすと一気に怖くなります。って、夢を語ってどーすんねん(笑)
俳句を続けてきた集大成……というのは大袈裟ですが、今後の自分のスタンスを設けていくのに良い機会ができたと感じております。
ありがとうございました!
タイトルから蝉にフォーカスされるかと思いきや、実は水鳥がなにを探しているかということだったという流れは実によかったです。
実はダム建設にちょっと関わったことがありまして、沈みゆく集落を目の当たりにしたことがあります。反対派、賛成派、仕方なく受け入れる人など、決して一言では語れない想いがありました。
水鳥がその想いの欠片を探していたとしたらと思うと、なんだか哀愁のようなものを感じました。
それを支えているのが自然だとして、その一時を句にするという俳句は、やっぱり奥が深いとつくづく思いました。
優雅な自然の裏に宿る人々の業を俳句にする。とても素敵な作品でした!
作者からの返信
塾長
コメントありがとうございます!
おぉ! ダム建設に関わったことがあるとはっ!
全一致で同じ方を向くというのは不可能ですものね。その苦労、ただならぬものがあったと思われます。コミュニケーションというのは、本当に難しい。塾長の心が狂うこともなく済んで、本当に良かったです。
俳句って、見たもの聞いたものなどを混ぜながら、ほんの少しのファンタジーを入れると面白いものができる時もあるんです。そこに奥の深さを見出したり。なかなかその境地には辿り着けませんが、色々と見聞きしていれば、いつかは詠めるものかなと信じております☆
ありがとうございました!
編集済
愛宕平九郎様
ダムに沈んだ村とか町って、それだけでロマンなのですよね~☆
私も昔からなんか好きなんですよ(*´ω`*)
そんな人々の想いが眠っている狭山湖を見つめながら、ツクツクボウシの声に惜しいと言われた気分になる。センチメンタルな過去から、未来へ。一歩踏み出すように背中を押された気分になったのかな、なんて思ってしまいました。
ツクツクボウシ、愛宕さんのお住まいの近くでは珍しいのですね。我が家では生まれていますし、毎年夏の終わりには大合唱が聞こえます(笑) でも、他の蝉に無い、なんとも言えない魅力のある声だとも思います。
マスクが冬の季語と言うのは知りませんでした。こんな現代の製品も季語になっていくんだなぁ。まあ、おっしゃる通りコロナで季節感ゼロになりましたけれどね。
言葉遊びが秘められた物語。面白かったです!
作者からの返信
☆涼月☆ 様
コメントありがとうございます!
ロマンがありますよね~☆
「俺は残る!」
「そんなっ! ならば私も……」
「ならぬっ! 千代どのは、おっかぁの元を離れちゃダメだ」
「いや、いやよっ! お前さんのいない暮らしなんて!」
「なぁに、いつかまた会えるさ。先に逝ってるぜっ」
「お前さ~ん!」
的な (*´ω`*) (違うっ)
愛宕地方ではさっぱりですわぁ。スズメも見なくなったし、なんだかこの地域だけ生き物が続々と消されている気がします。いずれは愛宕も……。
マスクに限らず、コートとかショールとか白シャツとか、けっこう身近なアイテムが季語になってたりするんですよ。年々増え続けているので、覚える方も大変です(笑)
ありがとうございます!
実際に足を運んだことはないのですが、恐らくイイ所なのであろう狭山湖の魅力が大いに感じられますね。文章から読み取れる情景の解像度が高く、それを実現している表現力と知識はさすがの愛宕さんだなあといったところでした。
自然の中でインスピレーションを得ながら俳句を詠むのって風流ですよね。最後の一句、息苦しいマスクを取って吸い込む狭山湖の空気は最高だろうなあと思いました。
作者からの返信
君塚つみき 様
コメントありがとうございます!
恐らくイイ所なのであろうイメージを抱きつつ、ようやく行けた場所が狭山湖なのでした。めっさ広いです。ドローン買いたくなるくらい良き眺めでした。
情景の解像度、上手い表現です。こういった雰囲気を綴る時は、ピンボケにはしたくないものですよね。高めの解像度と評していただき、めっさ嬉しいです☆
最後の一句、残暑が厳しかったんだよぉっ!
(すげー気持ち良かったです☆)
俳句の言葉、自然や光景の描写、そして蝉の鳴き声、そのすべてが相まって、見所がないと言われる狭山湖の夏の風景を何か特別なものに感じました。
西武球場や遊園地のイメージしかなかった狭山湖ですが、こうして見るとベッドタウンにありながら本当に自然が溢れている場所ですね。そして、悲しい歴史もあったんですね。湖底には、失われた昔の良き武蔵野がたくさん残ってるのかもしれませんね。そう考えると「つくづく惜しい」という気持ちになりますね。
作者からの返信
Youlife 様
コメントありがとうございます!
やはり狭山湖は桜の季節か紅葉、もしくは富士山のくっきり見える冬場が良きスポットかなと、先日足を運んで感じました(笑)
昔は球場だけでなく、ユネスコ村なんてのもあったんですけどねぇ。恐竜の模型とか飾ってて、ちびっ子たちにはそれなりの楽しいスポットでしたが……(遠い目)
付近一帯の開発で沈んだ村が最小限の影響だったと聞きます。これがあったおかげで、周りの自然が残され今に至るらしいですよ☆
お邪魔します。
面白い吟行でした。
蝉の鳴き声も水鳥の動きも楽しかったです。道具か原料か技法かと沈んだ村への思いも不謹慎ながら面白かったです。
最後の俳句はスーッとした感じが素敵でした。
ちなみになんですが、私は子供の頃、ツクツクボウシのサビ、「ツクツクフィーーヨオーー!」を「マタコイヨー!」と言っているんだと教わりました。
「ツクヅクオシイ、マタコイヨー!」ですね。
作者からの返信
葉月りり 様
コメントありがとうございます!
吟行は一人芝居でもあるので、周りの音や動きを頼りに書いていくしかありません。ただ、それだけでは物足りないと感じ、沈んだ村を軽く浮き彫りにしてみました。本来なら「想い」などを忘れ物にするところですが、作中の「私」はお惚けくんなので道具や材料や秘伝の書くらいしか想像ができないのです(笑) 面白く感じていただけて良かったです☆
「マタコイヨー!」というサビは面白いです!
何度も聞いていたら、そんな風にも聞こえてきました。色々な伝承があって面白いですね (*´ω`*)
蝉の鳴き声なついての素晴らしい考察!
蝉達は己の技巧を凝らして未来のお嫁さんに向かって短歌や俳句を披露する、あるいはギターを手に歌を歌っている感覚なのかもしれませんね!
老人は一体誰なのか、水鳥は何を探していたのか、余韻が残ります。
吟行、憧れます! 私も今度近場の穴場スポットでやってみようと現在計画中です。
作者からの返信
rainy 様
コメントありがとうございます!
気合を入れて書き殴りました!
ツクツクボウシの魅力を感じ取っていただけましたでしょうか? であれば至極満悦☆
ギターを手に歌う感覚というのも面白いですね。あるツクツクボウシは、ギターではなくバイオリンとか。ちょっとマルに想像してもらって歌って欲しいくらいです。
吟行! 是非やってみて下さい!
中四国にも様々な景勝地や歴史がありますものね☆
記憶が波のように、満ちたり引いたりする緩やかなリフレインを感じました。
ゴスペルを歌い上げるような法師ゼミ達の歌に深く耳を傾け、その構成を読み解く部分には吹き出しました。
「惜しい。実に惜しい」と呟く老人の登場。その言葉に惹かれて湖底の村に想いを馳せるところに引き込まれました。
武蔵野を過ぎゆく時間が早過ぎて、大切な何かを忘れてきてしまった思いに心が共鳴します。それは郷愁だけではなく、時間という縦軸の悲しみでもありました。
作者からの返信
来冬姐さま
コメントありがとうございます!
大いに吹いていただけましたでしょうか? あそこが愛宕の愛宕らしいところです。
そう! 確かにゴスペルですよね! ゴスペルはもうちょっと統一感がありますけど(笑) 法師たちは自由過ぎて困る。
老人は実在していなかったくらいの気持ちで綴りました。「私」が見た幻想という感じかな。湖底の村に忘れたもの、それは読み手の感想に委ねますが、愛宕は「遺骨のようなもの」を妄想して綴りました。縦軸の悲しみを感じていただけたのは、そんな妄想が乗り移ってくれたのかもしれません☆
ありがとうございました!
武蔵野は何度か歩き、狭山湖は2度ほど、行ったことがあります。
野鳥観察・撮影でしたが。
ツクツクボウシの啼き声の解説が面白く、読みながら、オオヨシキリの啼き比べを思い出しました。
同じように聞こえても、微妙に異なり、ヨシキリたちは、一羽ごとに葦に上って、一番見える、高い場所で鳴くのですが、その歌声でそこにメスがやってきます。
鳴き方が下手なオスはメスの振りをして、上手い歌い手の啼き方を観察するというのです。
一羽が歌い終わると、必ず別のオスと交代という、暗黙のルールがあって、別のオスが歌いだすのです。
結構長く、歌うので、そのあたりも、言われてみればツクツクボウシに似てるなと。
ただ、ツクツクボウシほどには長く啼きませんが。
カイツブリ。関東では割とよく見る鳥ですよね。真っ黒の様な、比較的小型な鳥。
私は石神井公園でよく見ていました。よく潜る鳥ですね。出てくる場所が全く予想が出来ない。
もう田舎に引っ込んでしまいましたが、機会があれば、また狭山湖に行きたいですね。
作者からの返信
一縷 望 様
コメントありがとうございます!
オオヨシキリの淡い毛色って独特で好きです。一番見える、高い場所を選んで個性を出し切る姿は、どの種の雄にも共通する姿と言えそうですね。しかし、雌のふりをして雄の鳴き声を観察する強かさがあるなんて凄い! 暗黙のルールがあるのも面白いです。蝉界はカオスですから(笑)
石神井公園や井の頭公園のカイツブリは、子育ての変遷を見たり撮影したりする愛好家が多いと聞きます。画像でしか見たことがないので、一度は実際の子育て奮闘期間(巣作りから)を観察してみたいものです☆
ありがとうございました!
沈んだ村のことをガチで書いちゃうと鬱になる上に、4000字じゃ書けないなぁと思ていたら、この手があったかと膝を打ちました^^;
そしてツクツクボウシの鳴き声(笑)
この湖も今や、武蔵野に溶け込んで、一風景となっていると思います。
謎めいていて、それでいて面白い。
そんな一作でした。
面白かったです。
ではではノシ
作者からの返信
四谷軒 様
コメントありがとうございます!
そうなのですよ。沈んだ村をフィーチャーしてしまうと文字数制限を軽くオーバーしてしまうので、それは脇役として添える程度にしてみました。あまり暗い心持ちで読了というのも「らしさ」が無いですしね☆
お笑い好きとしては、ツクツクボウシの鳴き声の方に文字数を割いた方が自分らしいですわ(笑)
楽しんでいただけて嬉しいです。
ありがとうございました!
編集済
大変味わい深かったです……!✨
ツクツクボウシの鳴き声は、読んでいるうちに林の中の合唱が耳に蘇るようでした。私の実家の裏山でもたくさん鳴いていましたので、めちゃくちゃ懐かしく、胸がきゅっと切なくなりました。
湖に沈んだ村、何度も水を覗き込むカイツブリ。寂しくも切なくもある静かな情景ですね。深呼吸しながら、ゆっくりじっくり味わわせていただきました(*´꒳`*)✨
作者からの返信
アオイさーん!
コメントありがとうございます!
深く味わっていただき、誠に嬉しい限りです☆
愛宕の住む辺りも昔はよく鳴いていたのですが、今ではすっかり聞かなくなってしまいました。アオイさんの実家の裏山、その中でツクツクボウシの合唱を堪能してみたいものです。
沈んだ村は事実でも、カイツブリがそれを目指して潜り続けるのって変かなぁと思いつつ書き殴ってしまいましたが、そこはかとない寂寥感を受け止めていただけて良かった (*´ω`*)
ありがとうございます!
吟行って楽しそうですねぇ。
何だか不思議なものに出会ったりして。
作者からの返信
@Teturo 様
コメントありがとうございます!
句を妄想しながらの散策ですので、何かを見たと同時に脳内で不思議なものを見ようとする感覚がシンクロしていることは多々あるかもしれません。
それが楽しかったりもするんですよ☆
ありがとうございます!