第11話 ゴブリンキング、再び登場

 それから俺達は回復の葉を購入し、ゴブリンキングのでた森へと向かった。


「カルゼルさん、どこでゴブリンキングに遭遇したの?」


 ステラはワクワクしたような表情で俺に聞いてくる。どうやら早く戦いたいようだ。


「えっと…」


 俺は記憶を頼りに森の奥へと歩いて行く。数分歩いて行くと、


「あ、そこの開けてるとこです!」


 俺はなんとか見つけることができた。が、先客が居座っていた。人では無くて、ゴブリンだった。


「グガァ。グガグガァ」


 どうやら何か喋っているらしい。


「何か喋ってるみたいだね」


 ステラが説明をする。まあ、俺も分かってはいるが。


「そうですね」


 わかっているのでそう答える。


「せっかくだからお金になってもらいましょうか」


「わかりました」


 そう言うと、ステラは何かぶつぶつ唱え始めた。俺は全く聞き取ることができなかった。すると、最後の掛け声に、


火魔球フレイムボール!」


 そう、ステラが言うと、杖の先から割と大きめの火のボールが飛び出して、ゴブリンの方へ向かって飛んでいく。見事に命中し、ゴブリンは焼け死んでゆく。


「え!?」


 俺は驚愕のあまり声をあげてしまう。


「ん? どうしたの?」


 ステラはさもこれが当然のように、普通の振る舞いをしている。

 それを見て、(それが当然のことなのか)と頭で考えて、


「いえ、何でもないです」


 そう言うと、


「そう」


 ステラはそっけなく返した。

 その時、


「グガアアァァ!!」


「急いで森に隠れて!」


 ステラの声で二人揃って、森の草むらの方へと飛び込む。

 そして、ゴブリンはまだ叫び続けている。


「なんでうるさいの!」


 ステラが耳を塞いでいる。

 そう、俺にはわかった。あの時と全く同じ、トラウマになりかけている大声が聞こえた。つまり、ゴブリンキングがやってきたと言うことに。


「ついに出たわね」


 あの巨体がまた俺の前に姿を現したのである。

 そして、周りをキョロキョロと見回している。どうやら、俺たちは気付かれていないようだ。


「さあ、いきましょうか」


「そうだね」


「私はカバーするわ」


「ありがとう、ステラ」


 ステラは頷く。

 そうして、二人で草むらを飛び出す。


「「不意打ちだぁ!!」」


 そう言いながら俺は前にでて、ゴブリンキングに攻撃しに、ステラは少し後ろで魔法攻撃の準備をしているのであった。

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プロポーズが成功した日に転生してしまった ともとも @tomotomo1021

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