第10話 ゴブリンキング討伐準備

 次の日の朝、俺たちは朝早くに宿を出てゴブリンキングを討伐するために少し武器を新調する事になった。


「じゃあまずはゴーマンさんの店で武器を新調しましょうか」


 そうステラが言った。俺はと言うと


「いや、昨日駆け出しの剣買ったばっかりなのだが…」


 これが俺の本音だった。せっかく頑張って貯めた650ヘームがこんなにあっさり捨てられるのはできるだけ勘弁だったが、


「駆け出しの剣ごときじゃレベルが相当高くないと勝てないわよ」


 どうやらあっさり捨てるしかないようだ。


「はぁ…」


 俺の数時間が一瞬で水の泡になった瞬間だった。


 そして俺たちは武器屋にやってきた。


「やあ、いらっしゃい2人とも」


 ゴーマンはいつも通りの挨拶をした。


「どうも、ゴーマンさん」


「よお、カルゼル。よく眠れたかい?」


「よく寝れました」


 ステラが横にいたので少し意識してしまったところもあるが寝れたのは寝れたのでこれでいいだろう。


「そうか、それなら良かったぜ、で? 何か買いに来たのかい?」


 ゴーマンが尋ねてくる。


「私達ゴブリンキングを倒しに行くわ。だから強い武器を買いに来たの」


 ステラが目的を説明する。するとゴーマンはとびっきり目を見開いた。


「わかってるのかい? ゴブリンキングはこの星、ソラリスで一番強いとされているモンスターなんだぞ?」


 それでも行くのか、と言う意を込めた質問を受ける。が、ステラは迷うことなく


「それも承知の上です。さあ、このソラリスで一番強いとされているストーンソードを」


 ステラがそう言い、ため息をついたゴーマンはステラからお金を受け取るとストーンソードを渡して来た。


「よし、じゃあ回復の葉を買ってからいきましょうか!」


「いや、まてまて! ステラはいいのか?」


 すると彼女は「えっへん!」と言いたいかのように小さな胸を張って、


「もう私はソラリス最強武器を持ってるからいらないのさ! さあ、いくよ! お金のことは気にしなくていいからね!」


 ステラの言葉に納得しつつ、言われるままに物を購入し、ステラと共に俺がゴブリンキングに遭遇した森へと向かった。俺は(なぜお金をそんなに持っているのだろう)と疑問になったが、そこは深掘りしないのであった。


 そして武器屋のゴーマンは


「カルゼル、ステラ。どうか無事で帰ってきてくれ」


 そう手を合わせて願っているのだった。

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