第9話 宿での夜
俺たちはご飯を食べ終えて自室に戻って来ていた。
「この宿には浴場はあるのか?」
俺はたくさんの魔物と戦い大量に汗をかいているのでお風呂に入って汗を流したかった。
「ありますよ。私も入りに行きましょうかね」
ステラもはいりに行くらしい。
「でも入浴料で25ヘーム取られますよ」
(入浴でもとるのか!)と心の中で突っ込みつつ、俺たちは浴場に向かう。
「じゃあこの辺り集合で」
と、ステラが言ったので
「わかった」
と一言返して俺は浴場前でお金を払い、浴場に向かった。そこは普通に狭い番の大浴場みたいな感じだった。普通に扇風機が回っており、普通に水が出て、ここが異世界だという感覚がなくなるような浴場だった。文句を一つ言うとしたら(湯船が1つしかない!)と言う事だろう。
「はぁ、すごい1日だったな」
今思えば壮大な1日だった。死んで、こっちの異世界に転生、そこからスライム、ゴブリン、ゴブリンキングとの戦い、それで死にかけて、美がついてもいいほど可愛い少女に助けたもらい、さらにはゴブリンキングの討伐に行く約束もした。パーティーが出来たのは大きな成果だろう。そんなことを考えているとのぼせそうになったので急いで上がりシャワーで体を洗う。
「はぁ、はやく美奈のところへ帰りたい」
俺はため息をつき、本音を口にした。あのままいけば幸せな人生は確定していたのに。そんなことを考えながら体を洗い終えて脱衣所で体を拭き、服を着て脱衣所を出る。するとお風呂上がりの色っぽく色づいているステラが待ってた。
「ごめん。待たせてしまって」
俺は謝ったが
「今来たばかりなんで全然いいですよ」
彼女は微笑むが、よく見るとまだ少し髪の毛が濡れている。もしかすると急いでくれたのかもしれない。さらに申し訳ないと言う気持ちが湧き上がって来た。が、なんとも言うことができなかった。
そして俺たちは部屋に戻って来た。
「じゃあ私は眠いので寝ますね。おやすみなさい」
そう言い、2つあるベッドのある1つに横になってすぐに寝息を立て始めてしまった。(この子無防備すぎない?)と思ったが、俺としても今すぐ寝たいほど疲れていたのでちょっとベッドに横になっているといつのまにか記憶が飛んでいた。
そうしてなんともなくゴブリンキングと対決の日の朝を迎えるのであった。
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