リアコ撲滅委員会

リツ

第1話 リアルに恋して何が悪いんだ!




「ねえねえ昨日の奏くん見た?」

「見た見た!ちょ~~かっこよかった!てか私の推しもやばくない?凪くんビジュ良すぎなんだけど」



隣で盛り上がっているのは絶賛人気急上昇中の4人組アイドル「FLASH」の話なのだろう



アイドルにあまり興味の無い私はボーッと耳を傾けていた



「莉琉もちょっとは興味持ってよ~」

ほらほらカッコイイでしょ?!そう言ってスマホの画面を私に向けてくる




『んー、みんな同じ顔に見える』


「もー!アンタはアニメと漫画にしか興味無いんだから!」



その通りだ。私こと池田莉琉はアニメと漫画が好きだ。

だから「推しがカッコイイ」という気持ちは私にも理解出来る



「あー!奏くんみたいな人と付き合いたい!」

「というかマジで好き。彼女いたらどうしよう無理」



そんな様子を微笑ましく眺めていた



「おい、池田~」

突然担任の先生から呼び出しを受ける


「次の授業、文化祭の話をするから瀬名呼んできてくれないか?保健室にいるから頼む」



先生私が保健委員だからってパシッたな~

でも授業抜けられるからラッキーと保健室に足を運んだ



『失礼しまーす』

保健の先生は留守なのかシーンと静まり返っている


『瀬名くんいるー?』


返事が返ってこない。寝てるのかな?

そこで一つだけカーテンの閉まっているベッドが視界に入ってくる



『瀬名くん?』

呼んでみたけれど返事はない

開けるよ~と声をかけカーテンを開くと

顔に腕を乗せて寝ている1人の生徒がいた



瀬名くんであってるかな?

実の所をいうと瀬名くんの顔をあまり知らない

学校になかなか来ないしいつもマスクとメガネを付けているイメージ


だからメガネとマスク=瀬名くん ってワケ



つけていないと正直合ってるか自信がなくなってくる


『瀬名くん?』

トントンと肩を叩くと少しだけビクッと動いた


『あのー...』

少し大きな声で声をかけたからかバッと勢いよくカラダを起こされたので頭と頭がぶつかってしまった



『「いった」』


目が合うとお前誰だよと言うような気持ちがビシビシと伝わってくる


あれ、この人どこかで見たことある気がする



『あの、瀬名くんだよね?』

『先生が文化祭の話をするから呼んできてって...』


『あ!!!!!!』



私が顔を見て大きな声を出すから気付いたのだろう

チッと舌打ちをしながらマスクとメガネをかけた


『え、瀬名くんって』


さっき友達が見せてきた写真にいた人だよね?



「今見た事誰にも話すなよ」

『え、あ、うん』



チッ舌打ちをしながら面倒くさそうにしていた



「特にお前の友達のよく騒いでいるヤツら。アイツらにバラしたら殺す」


こ、この人口悪っ!こっわ!



ただ少し疑問に思う。なんで隠してるんだろう。どうせいつかバレそうなのに



『言わないけど、なんで隠してるの?』



問いかけると顔が険しくなった





「俺はオマエの友達みたいに理想押し付けてくる女が大っ嫌いなんだよ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

リアコ撲滅委員会 リツ @ritu___

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ