ハードボイルドベトナムコーヒー

@small_tips

第一話・ハードボイルドベトナムコーヒー

「それで、なんで『ハードボイルドベトナムコーヒー』なの?」


「村上春樹っているじゃん」


「小説書いてる人?」


「そうそう。確か、村上春樹の小説に『ハードボイルドコーヒー』ってあったなと思って。それのパクリ。」


「へぇー。その小説はどういう話なの?」


「うーーーーーん、...知らん。」


「え、読んだことないの?笑」


「ないのよ。ってかそんな小説存在しないし。」


「...どういう事?」


「さすがにさ、小説の名前パロディーにするなら、なんかネタでも引っ張ってこようかと概要を調べたんだけどさ。村上春樹の小説は『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』ってので、『ハードボイルドコーヒー』なんて小説はこの世界にないわけ。なんか、埼玉にそういう店があるらしいけど。」


「なんじゃそりゃ。笑」


「ま、所詮空想の物語なんだから。無い物の名前がお似合いでしょ。」

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