誰だ、ダンジョンを壊すパーティーは?

九十九 一八

第1話 ダンジョンは壊せばいい

「ボス、大変です。人間がダンジョン(建物)を壊しています。このままだと、この建物が倒壊してしまいます。」

「はあ?、ここを造るのにいくらかかった分かっているんか?今すぐ、パーティー全員を、全滅せよ!!!」

想定外なことが起こり、誰もがとまどっていた。武器を手に取り、最下層へ向かった。すると、逆走しきたゴブリンが

「ボス、ダメです。一番大事な軸が壊されました。」

魔物の顔色が変わった。

「おい!!!ふざけるな!!!」

建て物が急にバランスを失い、ぐらぐらと、揺れ始めた。そこに、追い打ちかけるように、ボスのいるフロアの床を破壊した。

「ここのボスは誰だ!!!!!!!!」

赤い目をした、筋肉体質の人間が、大きい斧を両手に構えていた。

「このシーンだけ見ると、どちらが悪者かわからない。」

「それなー」

「おい、ガキ、こんな事してただで済むと思うなよ!!!」

「おもってねーよ」

斧を大きく振りおろした。音の速さを超え、風を切った。そして、魔物に直撃したはずが・・・・

建物全体が無重力状態になった。

「グラビティ:(半径500メートルの範囲の重力を操る特級魔法)おい、ガキどこを見てる、なめんじゃねーよ」

手から斧を離され、抵抗ができない状態になった。体が上空へと上がっていく。

「ガキ、名前は?」

「九十九 一八(つくもかずや)だ、お前は?」

「学校の教科書でならわなかったか? アトラス様って」

「聞いたことないね、ってことは、お前、雑魚(弱小)だな」

「口だけは強がってるな、いつでもお前を殺れる状態だぞ」




「今だ!!!」

「フレイム!!!」

弓から放たれた、炎をまとった、光線が勢いよく、魔物の体を貫通させた。

「ううぅ・・・」

重力魔法が解け、瓦礫や破片が一斉に落下してきた。

「九十九、ここから離れるよ!!!」

「先に集合場所にいてくれ、後から追いつく」

「え、ちょっと、」

体の向きを調整しながら、スピードを速め、魔物を捕まえた。

「おい、死んだふりはよせ、ばればれだ。」

何も応答がない。白目をした状態で、口から血を流していた。


ダンジョンをから少し離れたところに着地した。

短剣を抜き、

「あばよ。」

刺した感覚があったものの、魔物の姿はなかった。


「どこを見ている!!!」

背後にいると一瞬で分かった。そして、先程までの、オーラが大きく違っていた。長い翼、鍛え上げられた肉体、右手には大きな剣を持っていた

「いい残す言葉はあるか、」

声に力を感じた

「言葉を残したところでどうする?俺の運命が変わるとでも」

「この状況でも,強がるとは面白い奴だ」

「俺はボスに言われたんだ,強くいないと強くなれない」

ボスの声が脳裏にあった顔の表情や思い出が一瞬で映像として流れた

ここで死ぬのか・・・


「お前をここで殺したところで何も得がない、だから今回は見逃してやる、」 

魔物に一瞬の隙もなかった

風の音だけが残り、姿はもうなかった。






「九十九遅い」

「悪りぃー斧見つけるのに時間かかった」

死の間際なんて言ったら、心配されそうだが、負けたなんか言いたくない。俺はまだ生きてる。

「援護に行くよ、仲間は私達だけじゃ無いんだから」

「ダンジョンこわしにいくぞ!!!」

咄嗟に出た、ただ思いついた言葉を呆然といった。

「ボスに似てきたね」

「いやでも似るよ、俺たちはボスがいなきゃ何もできなっかったんだから。」

今どこで何してるんだろう?




決められた道を進むのではなく、何をしてでも道を作っていく。




あの人のように。







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誰だ、ダンジョンを壊すパーティーは? 九十九 一八 @Yamazaki99

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