第5話 私の一番の推しはね。

「それでですね、適材適所という感じで、どの御令嬢も新しい婚約者様と仲良くしていらして、ふふ!」


「はるさんはそれで良いのですか?」


 私は神殿に住んでいた。その神殿でも特別に浄化された場所、神域にとても近い場所で


「ええ!だってこの小説で私の1番の推しは……」


 目の前に座っている光り輝く至高神・アリアデス様だもん!はーー素敵!


「や、やめて下さい!はるさん。私は人の思考がわかるんですから!」


「そんなこと言ってもーそうなんだから仕方がないんですー!」


 アリアデス様に会う為に私は神聖力を磨いて磨いて磨きまくって、こうして何でもない時でも神様であるアリアデス様のご尊顔を近くて拝観できる程になったのだ!あーー!尊い!


「し、しかしですね。聖女として人々の平和を……」


「大結界は問題なく作動してますよ」


「病気の国民は……」


「王子妃アイリス様のお薬が浸透して、さほど脅威でも無くなりました」


「国民の生活は」


「リーエン商会が大活躍で、飛躍的に向上してます」


「他国との戦争は」


「辺境伯家はルータベーガ若奥様を中心に良く鍛えられているそうです」


「あうう……」


 神様は恥ずかしそうに顔を隠してしまわれました。うー!可愛い!


「平和だって分かってるのに!もう!アリアデス様は私の事が嫌いなんですか!」


「そ!そんな事ないです!わ、私もはるさんと一緒に居るととても楽しいですよ!」


「良かったー!」


 好きな人に嫌われたら悲しいもんね!あ、この場合人じゃなくて神様かー!


「この平和と私の命が続く限り、一緒にいて下さいね!」


 そうお願いすると、アリアデス様はきょとんとしてから


「ええ、そうしましょうか!」


 と、言ってくださったのでとても嬉しかった。




 この国はこの後、千年平和であり、神の花嫁として神格を授けられた聖女はるの偉業は、後々の世に伝えられている。




 終わり


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悪役令嬢が私に婚約者を押し付けて来る!どれも要らない!お断りです 鏑木うりこ @uriko333

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