第4話 あれ?話がまとまっちゃった?

 やっぱりアイリス様がくれた包みはお弁当で


「お昼ご飯食べる暇がなくなるでしょ……?私に呼び出されたら」


 との配慮だった。良い子だった。アイリス様がくれたお弁当のサンドイッチを4人で食べて、とにかく放課後にまた集まることにした。


「まず、わたくしから申し上げますと、テオルドお兄様はしすこん、と言うやつなのです。わたくし、確かに子供の頃は体が弱かったです。でも今はこんなに元気ですのに!それなのに口うるさく、お出かけも許さず、友達も出来ませんし、婚約者もおりません!恥ずかしくて恥ずかしくて……」


 小説のルータベーガは体が弱い事を押し出してテオルドに側にいるようにと泣きつくんだよね。

 それを真っ向から否定されて、私はびっくりした。


「アリオス様は優しすぎるのです。人のいう事をいちいち信じ過ぎてもうフォローもしたくありません!あれで私の夫になる?!やってられませんわ」


 マルグレータ様は怒りのあまり、かちゃん!と紅茶の入ったカップを乱暴に鳴らしました。

 うん、マルグレータ様はどうもやり手、いや女傑系だわ……。優しくてぽやぽやした王子様の婚約者に収まる人じゃ無さそう。


「シュレイズ様は……ちょっと、武闘派、脳筋過ぎて……私、熊の頭部を頂いてもあまり、嬉しくはないです……というか無理です!」


 あ、私も熊の頭部は要らないです。あれ?アイリス様は血が苦手?魔女の家系は……え?ハーブとか薬草関係しか知らない?あら??


「え!わたくし熊の頭見てみたいです!」


 何故か頭部に食いついたのはルータベーガ様。


「わたくし、小さな頃病弱でしたでしょう?その頃出来なかった事をしたくて!草原を走ったり、兎を狩ったり、鹿を罠で捕らえたり!」


 なんか違わね?!大丈夫??令嬢でしょ?!


「アイリス様、アリオス殿下は優しいは優しいですわよ」


「え?」


「剣も馬も今一つですけど?」


「わ、私は一緒に薬草やお花を愛でてくれる方であれば……」


「王宮の薬草園はそれはそれは広大で奥が見えないですわよ?……」


「えっ?!そ、それ、興味あります!」


 あれ?あれれ??な、なんか話が……。


「ではマルグレータ様、兄をもらってくれません?ちょっとキモいですけど、リーエン商会はかなり大きいですわよ」


 実はリーエンシュタット家では商人の顔も持ち合わせておりまして、恐ろしくやり手な家系なのです。


「えっ!私、実は商売に興味がありましたの……!」


「まあ!」


 あれ?話、纏まった?

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