都会のワンルームに悪魔が来たりて謎の鍋が届く

「彼女の親切」タイトルの優しい響きに誘われて、何気なく覗いてしまう。
 
主人公の男の部屋にはドアチャイムと共に隣人からの料理が届く。おせっかいながら、おすそわけのご厚意に甘える独身男。温かい雰囲気が感じられる。

ところが、…………。
作品を読むにつれ、恐怖が襲ってくる。まさに予想外の展開が続く。いつしか、隣人は悪魔となり、恐怖のベルを鳴らし、謎の手料理を持ってくる。

都会の狭間から住人の阿鼻叫喚の叫びが届くようだ。そんな気がしてしまう。小説のもっとも恐ろしい佳境はここである。

「息を潜めて、ドアアイを覗くと彼女がいた」ぎゃあー! 身の毛もよだつホラーである。

短編ながら、ひとりでは読むのをお勧めできない、サイコサスペンスの小説。
ああ……怖い。((( ;゚Д゚)))
でも、ありがとうございました。

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