童帝の勇者

霧羽夜羽

01.相模優人と異世界召喚

 暗闇の中に薄らとだが確認できる女子の姿。

 胸と陰部を、手と腕でどうにか隠し、恥じらいを頬に現す。


「む、村谷むらやさんっ! 好きでもない男の前でそんな格好したら、ダメだよ!」


 視界に入っていた裸の女子こと村谷むらや沙苗さなえの体をどうにか視界から遠ざけるように俺はスっと顔を背けた。

 同い年の、それも気になる子の裸を見ちゃったら、立たないものも立ってしまう、かと思う。


相模さがみくん……私じゃ、ダメ、かな……?」


「っ……」


 村谷さんは恥じらいながらも近寄ってきて、俺の手を取り胸へと押し当ててくる。

 ふにゅん、という効果音でも鳴りそうなくらいの柔らかさを持っていた村谷さんの胸に俺の手はそのままのめり込んでいく。

 胸は反発することなく、俺の手を受け入れる。


「や、柔らかい……」


 俺の反応に、村谷さんは自慢げに――、

「自慢じゃないけど、私のおっぱいはね、柔らかいんだよっ! その……相模くんのを、挟みたいから……柔らかくなってるんだから、ねっ……!」

 恥じらいながらも、村谷さんも胸も柔らかさの自重をしてくる。


「凄く柔らかいんだね、村谷さんの胸……」


「胸じゃなくて、おっぱいって言ってよ……。私のおっぱい、他の誰よりも可愛い……?」


「えっ、ひゃっ、ひゃいっ! 村谷さんのおっぱい凄く可愛くて、大好きです!!!!!」


 手に伝わってくる胸の柔らかさを脳が直に感じているため、噛み噛みになってしまった。

 それにいつも無意識に見ていた村谷さんの胸が、今目の前にある、という事実に俺は胸を踊らせ、陰部を漲らせている。


「よかった……!」


 心配していたのかわからないが、村谷さんはそう言うと俺の手を離して胸を撫で下ろす。

 離した反動で、俺の手は無意識に村谷さんの胸を欲してしまうようにして乳首へ移動し、軽く愛撫してしまった。

 目に映る村谷さんの乳輪は小さいが乳首はしっかりと強調をしており、ぷるんと綺麗なものだった。


「ひゃうっ!」


 愛撫したことで村谷さんの体は反応し、口から甘い声が漏れた。

 何より、少ししか触っていないはずなのに、ビクビクと気持ち良さそうに腰をくねらせながら、吐息を出している様子だ。

 うん、えろい。


「相模くん! 乳首敏感だからやめて?ね?」


 主導権を握られた子犬のように上目遣いで村谷さんは頼んできた。

 だが、服を着ておらず裸の村谷さんの今は凄くえろいから、頼まれても止めてあげたいとは思えなかった。


「うん。でも、もう少しだけ、ね?」


 俺は頷きながらも村谷さんの乳首を優しくつねったり、指との間でシコシコしたりと愛撫してあげる。

 途端にビクビクと体を震わせ、吐息混じりの声を出してきた。


「あっ、ひゃうっ! きっ気持ちいっ!! うぅぅぅぅ、気持ちいよぉぉっ! あぁっ、ひゃぁんっ!!!!」


 もっと気持ちよさそうにしている村谷さんを見たい、そんな一心で俺の手は無意識に村谷さんのぶっくりとしている乳首を愛撫し続けた。

 可愛い、凄く可愛くて、もっと気持ちよさそうにしているところを見ていたい――脳は無意識にそう考えていそうだなって思うってしまう。


 触り続けること数分で――、

「ひゃぁぅぅぅぅぅぅうっっっっっっ!」

 村谷さんは俺に抱きついてきて、ビクビクと体を反応させながら、陰部から液体を流し始めた。


 興味しかない俺は村谷さんの陰部に手を当て、流れているのを感じ取る。

 もっと出てこいという願いを込め、村谷さんの陰部を優しく愛撫し始める。


「やぁあっ、だめっ……だよっ! ひゃうぅんっ」


「そんな気持ちよさそうに言われても……説得力ないよ? 村谷さん。気持ちよさそうにしてるところ可愛いくて仕方ないんだから、許して欲しいな」


 俺の手を制止させようと村谷さんは握ってくるも、気持ち良いのか力が全く入っておらず制止させることができなかった。

 そのまま俺は、村谷さんの様子を窺いつつ、陰部を気持ちよくさせていく。

 興奮状態に入った俺の陰部も、化け物へと成り代わり、愛撫している手と同時に村谷さんの陰部へと攻撃へ始める。

 ねちゃねちゃという音を立てつつ、村谷さんの陰部の入口の上にある何かを優しく擦る。


「あぅぅうんぅぅぅっ。だめ……何か来ちゃうっ!!! ……んぁぁぁんっっっっ!!!!!!!」


 ビクンっと体を仰け反らせた村谷さん。

 瞬間、陰部からは大量の液体が吹き出し、俺の顔と体にかかる。

 ほんのりと甘い味がし俺は、痙攣しながら倒れ込んだ村谷さんの陰部へと顔を埋める。

 口を開き舌を動かし、甘い味がする陰部の中を舐める。

 舐める度に甘い味のする液体は大量に外へと流れ、俺の口へと突入してくる。


「ひゃぁぁぁぁぁぁあんっっっっ!!!!!!!!!!!!」


 今までにない痙攣をしながら絶頂を起こすと、村谷さんはどこか嬉しそうな眼差しで俺を見てくる。

 普段見ることないえろい一面を見れたことで俺は嬉しく、興奮し、もっともっと見たいと無意識に思う。


 バッと起き上がった村谷さんは俺を押し倒し下着を脱がしてくると――、

「相模くんの、ここ……苦しそうだね」


 物欲しそうな目をしながら俺の陰部に手を当てると、パクッと口で頬張る。

 じゅぽじゅぽというハレンチな音を立てながら村谷さんは舌を使って激しく舐めている。


「き、気持ちぃよ。村谷さん、好きなんだね」


 イきそうな気持ちを抑えつつ、俺は村谷さんの乳首をいじめてあげる。

 ビクビクとしながらも必死に俺のを舐めている村谷さんは、とても可愛かった。

 のように可愛い村谷さんを見ているが、今日は一番えっちで、村谷さんの方から欲しがっている様子に見える。


「い、イきそう……っ!」


 俺の体はビクビクと反応しながら――。




 ◇◇◇




「はぁ、またやっちゃったのか……」


 ズボンを押し上げるように山になっている股を見ながら、そう呟いた。

 陰部のある部分は色が少しだけ変わり、湿っているように見えている。

 それは陰部から白い液体が出ている、そのようなものだ。

 まあ、その通りとしか言えない。

 高校二年に上がり、四ヶ月が過ぎた今、俺は四ヶ月間毎日のように夢精を繰り返している。


 布団につかないようにするためにベッドから起き上がった俺は、すぐさま下着を変えるために脱水所へ移動した。

 ここ最近ずーっと無性を繰り返しているのは、どうしてか。

 色々考えたが、わからなかった。

 四ヶ月間毎日出るとか予想外。

 おかげで朝からは毎日下着を履き替える日々を送っているわけである。


 下着を履き替え終えた俺はベッドに置いているスマホを手に取った。


「は?え?? 寝坊、したのかよ……」


 スマホの示していた時間は八時で、この家から学校までに早くても三十分はかかる。

 下着ついでに制服に着替えたが、今から走るとか辛い気持ちしかない。

 けど、今日は遅刻をしてはならない理由があるのでどうやっても間に合わなくちゃいけない。

 はぁ……自転車ガチ漕ぎ頑張るしかないか……。


 朝ごはんは諦め、俺は学校へ行く支度を一分で済ませる。

 昨日のうちに要るものはまとめておいたので、あとは学校へ向かうだけ。


「急ごー」


 内心焦りつつ、俺は自転車に跨ると、全力でペダルを漕ぎ始めたのだった。


 三十分ほど自転車を漕いでついに学校に着いた。

 運が良かったのか途中信号で止まることなく、スムーズに学校に行けたのは本当に運が良かったと思っている。

 ただ、汗だくにはなってしまった。


 汗をタオルで拭きつつ、俺は自分の教室へと向かう。

 ドアを開け教室に入ると、そこはまるで理想的なクラス――ではなく、クラスカーストが存在し、陽キャと陰キャ二つの壁が立っている空間と化していた。

 何より陽キャでもなく陰キャでもない、どちらにも属さないキャラが数人ほどいるのだ。

 俺はそそくさと自分の席へ移動する。


「相模くん、おはよう」


 学校最初に話しかけてきたのは、夢の中でも良く出てくる女子――村谷沙苗さんだった。


「あっ、おはよう、村谷さん」


 振り向き挨拶すると、ニコニコとした笑顔の村谷さんが目の前に立っていた。

 茶色がかった黒髪をショートヘアにし、透き通るような黒目の持ち主だ。

 髪が何故茶色がかっているのかは俺も知らないが、両親の片親が外国人だったとかなんとか。

 まあ、茶色がかってなくとも、村谷さんの髪は綺麗だと思う。


 しかし学校の頂点に君臨する美女子、とも噂される女子がどうして俺に話しかけて来たのかと言えば――、


「沙苗、おはようー。ってまた相模に話しかけてんのかよ。わざわざ話しかけなくても良いと思うけどな、陰キャの相模に話しかけなくても」


 そう、陰キャに話しかける私優しい、みたいな感じだ。

 そんな中に現れた一人の男子は、クラスカースト上位に君臨する陽キャ荒澤あらさわ大智たいち

 村谷さんと同じく茶色がかった黒髪に黒目である、イケメンだ。

 同じ黒髪黒目の俺のはずなのに、荒澤にまったく届かないどころか、荒澤本人に変態扱いされている。

 まあ、陽キャからしてみれば陰キャはみんな変態なのだろう。


「違うから! 私は相模くんと話したかったからで」


 目の前で行われる陽キャたちの口論 (みたいなもの)。

 陰キャの俺からすれば、凄く迷惑に思えてしまう。

 そもそも俺の目の前ですることだろうか?


 ちなみにだが、荒澤がクラスカースト上位に君臨してるならば、村谷さんもクラスカースト上位に君臨している陽キャの一人だ。

 そして俺はクラスカースト下位の陰キャの一人、相模さがみ優人ゆうとである。


「とりあえず、席に着かせてもらうから」


「う、うん。なんか、ごめんなさい」


「沙苗の謝ることじゃないからな? 相模が悪いんだから」


 村谷さんがあれやこれやと言い訳をしている中、俺は流すかのようにして自分の席へ座る。

 そもそも上位と下位は馴れ合うものではないのだ。

『陽キャの俺が陰キャのこいつに話しかけてるのカッケー』とかいつの時代の台詞なんだと思う。

 けどまあ、村谷さんがそういう気持ちを思って俺に接してないというのは少しだけわかっている。

 自慢もしなければ、村谷さんだけが俺に話しかけてくれるのだ。

 優しい優しくないは置いておくが、良い人なのだと個人的には思っている。


 ならば、どうして村谷さんが俺の夢に出てきて、夢精をしてしまうまでのことをやっているのかと理由を考えれば、わからん。

 単に『可愛い』からとかじゃないだろうか。

 胸が柔らかいとか敏感だとか、えろいとかなんとか、俺には知らないことなのだ。

 付き合ってるわけでもないし、そういう関係でもない、なんなら友達でもないまである。

 なのにどうして夢にまで出てきて夢精するようなことをしているかは、『可愛い』からでまとめてしまう。

 それが一番平和的解決なのだと俺的には思う。

 まあ、変に意識して気持ち悪い部分を見せたくないが。

 ……いや、俺に気持ち悪い部分なんてないんだけどな?


「はーい、みんなおはようございますっ! 今日はVR技術を使った授業がありますよー!」


 八時四十分となり教室に入ってきたのは、二年A組を担当している担任の先生、八留はちとめ瑠璃るり先生だった。

 八留先生は小さい体型ながらも胸が異様に誇張するように仕向けてあるような服装に身を包んでいる。

 いわば、ロリ(?)巨乳体型だ。

 世の中の男子からすれば、八留先生の胸に一度は包まれたいと思うだろう。

 まあ、ロリと言えるほど小さい体型でもなく、成人女性の中では小さい方だと思う、たぶん。


 八留先生の言葉に、クラスのみんなは大喝采。

 今までしてこなかった技術を授業に取り入れる、そんなことをこの学校が最初に手を出したわけでもある。

 そのため今回の授業をするに当たり、学校側は異常な金額の取材費用をテレビ局やらなんやらから受け取り、取材をさせることになっているのだとか。

 あと授業に、テレビ局のアナウンサーが今日は特別に入ると聞かされている。


 テレビの取材なんて陰キャが出ていいものではないが、他の陰キャたちはどこか嬉しそうにしていた。

 俺からすれば非常に嫌な体験だ。

 まあ、将来こういうことに遭遇した時はネタになるかもしれない、とどうにか思い込んで今日は我慢している。

 どちらにせよ、今日の授業が楽しみすぎて学校を休めなかったのだ。


「それじゃあ、今日はこの特製VRゴーグルを用いて海外へりょこうをしたいと思います! 先生は、楽しみすぎて寝れませんでしたー」


 どこからともなく大きなダンボールを二つ出した八留先生。

 ズシンっという効果音が出そうな大きなダンボールだな、おい。

 てゆか、八留先生のどこからそんな怪力パワーが出てくるんだよ!

 心の中でツッコミをしつつ、あのダンボールの中に今回の大目玉であるVRゴーグルがあると言う情報、ワクワクしてしまい待ちきれない。

 早く使いたいものだ。


 しかし今回の授業は海外へ旅行するだけとは楽しくないな。

 まあ、新技術を学生が試す、という観点があるため危ないことはしないのだろう。

 不手際や何かトラブルが起こってしまった場合、VRゴーグルを開発した会社がすぐにどうにか対処できるわけではない、ここは学校だし。

 なので今回の件は致し方ないものなのだろう。


 そんなことを考えている間にも八留先生はVRゴーグルを配り始めていた。

 前の席から順番に後ろへと配られていく。

 俺は一番後ろのベランダ側の席なので、一番最後にやってくる。

 ワクワクした気持ちで、VRゴーグルが来るのを待つ。


「……どうぞ、相模くん」


 俺の一つ前の席に座っている村谷さんからVRゴーグルが手渡しで渡された。

 しかしどこか元気のなさそうな様子。

 どうしてか、なんて問われなくても俺にはわかってしまう。

 答えは、朝の会話のやつだ。

 挨拶をしてきた村谷さんに絡んできた荒澤の言葉で、朝から俺と村谷さんの関係は少しギクシャクしてしまっている、かもしれない。

 まあ、友達でもなく、単なる席が近いだけの関係なのでそこまで気にすることは無いのだが、村谷さんは気にしてしまっている様子だった。


「ありがとう。えっとー、その、俺はさっきのこと別に気にしてないし、村谷さんも気にしなくて大丈夫だから。話しかけてくれるの嬉しいし」


「相模くん、ありがとう……」


「だからまあ、いつも通りに話してほしいし、そっちの方が俺は好きだよ」


 ここで消して間違わないでほしいが、俺が好きなのは村谷さんのことではなく、村谷さんの話し方の話である。

 なので消して、村谷さんのことが好き、そんなありえない話は存在しない。

 ……もういいじゃないか、夢の中でのことなんて。

 いや、まあ、ね? 好きとか思っているからかもしれないけど、実際は『可愛い』から夢に出てきてえろいことをしているんだと思う。

 え? 胸の内に秘めている本当のことを言えだって?

 本当のことだよッ! 消して逃げたわけじゃないからなッ!


「そ、そうなの? それじゃあ気にしないでおくね! それにしても好きって……嬉しい」


 はへぇ? どういう反応だ?!

 陽キャの村谷さんの口から出てきた言葉に対し、俺は不思議そうな反応をしてしまう。

 そもそもだ、陰キャの好きという言葉をそのまま受け入れてはいけないと思っている。

 俺はまだ普通の陰キャだけど、群れを成す陰キャの好きは怖い。

 だけどまあ、そんな怖い陰キャなんて見たことないんだけど。


「ま、まあ、いつも通りの村谷さんに戻ってくれてありがとうね」


 すでに説明を始めていた八留先生の話に逃げるために、村谷さんの話を切り、VRをゴーグルを握りしめる。

 はあ、どうしてこうなってんだ?

 村谷さんに『嬉しい』なんて言われてしまったおかげでわけわからなくなってしまっている。


「VRゴーグルを頭にはめた後、このスイッチをONするとVRゴーグルが起動するようになっています。その後は頭に直接機械音のような声が聞こえるので、それに従って進んでいってくださいねー! とりあえずは、東京の渋谷で集合しましょう!」


「「「わかりましたー」」」


 ……まじか。

 村谷さんと話している間に、八留先生の話はすでに終わった。

 注意事項とか聞かないといけない話があっただろうに、俺はすべてを聞き逃してしまった。

 やってしまった……。


「相模くん、またあっちで会おうねっ!」


 そう言うと村谷さんは前を向きなおし、VRゴーグルを頭にはめ、スイッチをONした。

 俺はというと、ただ茫然とその行動を最後まで見届けてしまったのだった。


「あっ……俺もやらないとだわ」


 目の前の出来事に呆然とするしかなかった俺だが、すでに俺だけ取り残されてVRゴーグルすらはめてない状況になってしまっていた。

 これはやばい、と思いながら俺は急いでVRゴーグルを頭にはめる。

 起動したばかりなのか目の前は覆われたような真っ黒の感覚にとらわれている。

 しかし瞬間、キュイーンという機械音を立てながら真っ暗だった目の前に光がともると、すぐに視界が良好となる。


『初めまして、所有者の認証を始めます』


 機械音でそう言われると同時に、光の線のようなものが頭の上から下へとゆっくりと進んでいく。

 するとだんだんそこにはなかったはずの俺の体が、姿を現し始めた。


「す、すげぇ……」


 しかしその直後――、

『エラー発生、エラー発生、エラー発生、エラー発生、エラー発生。装着者は直ちにゴーグルをお外しになってください。エラー発生、エラー発生、エラー発生、エラー発生、エラー発生。装着者は直ちにゴーグルをお外しになってください。エラー発生、エラー――』

 ――そんな機械音と共にアラーム音が頭の中で響き始めたのだ。


「――っ」


 突然の出来事に志向が停止してしまったが、危険と頭が判断したためか勝手に手が動き、俺は知らぬ間にVRゴーグルを外してしまっていた。

 外せばいつも見ている教室の景色、なんて反射的に思ってしまった。

 今回のためのそういう仕様、なんてのも学校来る前に少しだけ考えてしまっていたが……果たしてその結果はどうだろうか。

 俺は恐る恐る、目を開く。


「は?」


 目を開けた先に広がっていた景色は、まったく見知らぬ景色だったのだ。

 果たしてここはどこなのだろう。

 とりあえず、落ち着いて今の状況を考えてみる。

 VRゴーグルをつけたら、エラーが発生したという音声が流れ、VRゴーグルを外すと、そこには見知らぬ世界が広がっていた。

 うん、わけわかんねぇー。

 しかし東京だという考えも捨てがたいが――奥の方に見える人々の着ている服装が日本のものではない。

 というこは、だ。

 ここは、どこなんだ?


 服装から考えれば外国の偉い人たちが来ている服……簡単に言えば、イギリスの偉い宮殿に住まう人たちが来ている服って言った方がいいかもしれない。

 まあ、機械音がエラーと言っていたこともあるし、エラーが発生したせいで外国に来たのかもしれないな。

 とりあえず、VRゴーグルをもう一度頭にはめて元の世界に戻るしかないだろうなぁー。


「元の世界に戻せー!」


 VRゴーグルを頭にはめた俺は、叫ぶ。

 しかしVRゴーグルは反応を示すことなく、ただただ視界が真っ暗いままだった。

 無理なら外すしかないだろうと思って、外す。


「ついに召喚できました! 異世界から召喚された勇者の皆様、私たちに力をお貸しください!!」


 はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

 どういうことだよ!?

 混乱になる頭の中で見いだされた答えは、『異世界召喚』されたということだった。

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