謝安4 大権を握る
とき折しも徐々に前秦の脅威が大きくなってきており、地方から次々と届けられる手紙は
かつて
「
謝安は答える。
「
この頃宮殿が痛み、謝安は修繕をしたいと考えた。しかし
その
尋為尚書僕射,領吏部,加後將軍。及中書令王坦之出為徐州刺史,詔安總關中書事。安義存輔導,雖會稽王道子亦賴弼諧之益。時強敵寇境,邊書續至,梁益不守,樊鄧陷沒,安每鎮以和靖,禦以長算。德政既行,文武用命,不存小察,弘以大綱,威懷外著,人皆比之王導,謂文雅過之。嘗與王羲之登冶城,悠然遐想,有高世之志。羲之謂曰:「夏禹勤王,手足胼胝;文王旰食,日不暇給。今四郊多壘,宜思自效,而虛談廢務,浮文妨要,恐非當今所宜。」安曰:「秦任商鞅,二世而亡,豈清言致患邪?」
是時宮室毀壞,安欲繕之。尚書令王彪之等以外寇為諫,安不從,竟獨決之。宮室用成,皆仰模玄象,合體辰極,而役無勞怨。又領揚州刺史,詔以甲仗百人入殿。時帝始親萬機,進安中書監、驃騎將軍、錄尚書事,固讓軍號。于時懸象失度,亢旱彌年,安奏興滅繼絕,求晉初佐命功臣後而封之。頃之,加司徒,後軍文武盡配大府,又讓不拜。復加侍中、都督揚豫徐兗青五州幽州之燕國諸軍事、假節。
(晋書79-4)
■斠注
德政旣行、文武用命、
政事 23
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884883338/episodes/1177354054886684090
の注に『續晉陽秋』が引かれ、世説新語本文中では兵の脱走ぽく書かれているものが「いやいやそれ前秦の脅威から逃げてきたひとたちだったんですってば」と書かれています。そして謝安がそういったひとたちを取り締まるのではなくて厚く遇するようでなければ、どうして王の都と言えようか、と語ったそうなのです。そこが直接書かれていないと言うことは、何か別箇で信頼に足る記事があったんでしょうね。
嘗與王羲之登冶城、
言語 70 。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884883338/episodes/1177354054886608433
吳の孫権が建てた鍛冶のためのお城で、王導が治所として用いたそうです。ふーん。ところで謝安が建康に出てきたときって王羲之とっくに会稽に引っ込んでんじゃねえかいいかげんにしろと斠注のひとが怒ってて面白かったです(此事亦出於世說,則『世說』之妄,唐時執筆者蓋乏學識,故所取舍皆謬)。お前は裴松之か。ていうか謝安さまだって出仕前に建康に旅行くらいなさったでしょうよ。
あと秦が商鞅に国を任せて二代のちに滅んだ、の所はなんで盛大にスルーされてんでしょね? 「商鞅に国を任せて」を単純に拾うと六代あとの王様のときに滅んでるんですが。謎。
■斠注
都督楊豫徐兗靑五州幽州之燕國諸軍事・假節。
『十駕齋養新錄』『謝玄伝』にもやっぱり見える幽州燕国の文字。ただ正直これが何を指しているのかいまいち判然としないそうです。宋書地理志を見ると東晋の南徐州淮陵郡治下には下相、廣陽の二縣が僑置されていたとの情報があり、ここのことを指しているのではないかしら、と推測がされていました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます