謝安5 豈に清言は
その名の通り鍛冶などを行う城で、
以前は
そこの責任者になったりしていた。
謝安さま、展望台から、周辺を見渡す。
悠然とその景色を見遥かすさまは、
いかにも超然としていた。
王羲之、
少し謝安さまをつついてみたくなった。
「
日々精勤しておられた。
食事をとる暇も惜しまれた。
然るに、今はどうであろうな。
四方に防備のための砦が築かれており、
人々は手を取り、
国防に勤めねばならん。
だというのに中央の人間は
虚談を弄し、職務は擲つ。
虚飾に塗れた文章たちで、
本来伝えるべき用件を
曖昧模糊なものとする。
このようなことが続くのは、
あまり良くないと思うのだがね」
すると謝安さま、答える。
「
富国強兵を為しました。
その国力増強を受けて、
けれども、それも
二代しか続かぬありさま。
実務一辺倒であっても、
結局はこうなのです。
清談だけをやり玉に挙げてみても、
仕方のない事だとも思うのですがね」
王右軍與謝太傅共登冶城。謝悠然遠想,有高世之志。王謂謝曰:「夏禹勤王,手足胼胝;文王旰食,日不暇給。今四郊多壘,宜人人自效。而虛談廢務,浮文妨要,恐非當今所宜。」謝荅曰:「秦任商鞅,二世而亡,豈清言致患邪?」
王右軍と謝太傅は共に冶城に登る。謝は悠然として遠想し、高世の志を有す。王は謝に謂いて曰く「夏禹は勤王し、手足は胼胝す。文王は旰食し、日に給せるべき暇あらず。今、四郊は壘多くして、宜しく人人は自ら效すべし。而るに虛談は務むるを廢し、浮文は要を妨ぐ。恐らくは、當に今は宜しかる所に非じ」と。謝は荅えて曰く「秦は商鞅に任じ、二世にして亡ぶ。豈に清言は患を致さんや?」と。
(言語70)
王羲之が清談を「虚言」と切り捨ててるところが素敵ですね。
商鞅
秦の
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