屏風の虎

 時の将軍、足利義満に呼ばれてお城に出向いた一休。

「お呼びでしょうか、お殿様」


「幕府のマスコットキャラクターを考えてほしいのだ」

「私では不満ですか」

「もう子役は辛かろう」

「いえ。まだイケるかと」

「おぬしは良くてもわしらが辛いのだ、爺。最近の流行に沿ってゆるキャラで行こうと思う」


「モチーフは何がよろしいので」

「虎だ」

「また虎ですか。あんまりゆるくすると猫になりますよ」

「そこを虎と分かるように頼みたい。ちなみに、著作権は幕府だ」

「トホホ」


 さて、数日後。再び城内。

「できました」

「おお、屏風にかわいい虎の絵。ちょっとアホそうなのがいい」

「ゆるキャラでございますから。最近の流行で女の子っぽく擬人化しておりまする」

「でかしたぞ、一休」


「ところで、お願いがございます」

「なんだ、一休」

「この娘を屏風から出して戴きたく」

「帰れ」

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育たなかったミニトマト こやま智 @KoyamaSatoshi

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