第55話 思惑
湘南市韮山駅跡地にトンネル洞窟が出現して20日目。
洞窟及びヷープ先のジャングルを管理調査探索研究発掘している中国軍部の様子がおかしい。
ルージュ姉妹の報告によるとオパールを含む発掘調査が滞っているらしい。
ジャングル内で異世界生物の攻撃により、第1次、第2次調査隊は全滅した。
オフレコなのでニュースには載らないが、自分たちのミスも弱みも隠したがる国だ。被害に遭ったことすら認めないだろう。
ただ、その隙をついてジャングル側のワープゾーンから日本側へ侵入者、いや侵略者が後を絶たない。
公安はその事実を知るも公安という秘匿性の高さゆえ沈黙していた。
自衛隊は把握している。少なくともグレムリンという未確認生物の存在を。
日本国政府も把握しているが、世間には公表せずを貫いている。つまり自衛隊の出動は憚られる。
そこで苦肉の策として政府のケツ持ちで「パズル」を立ち上げた。
建前は防衛省別室扱いだが、危険分子対策手段として自衛隊から屈指の戦闘員を集め、除隊させ幹部待遇で新たにパズルの一員とした。
パズルのリーダー隊長は幽汽道士というが、偽名だろう。
連日連夜市内で発生する殺人事件に頭が痛い。犯人は分かっている。
が、逮捕、いや犯人確保には至らない。
藤沢駅付近で発生した大量殺人事件を捜査中の南署捜査一課の面々により、
付近のカメラ映像から犯人を割り出すも加害者と思しき女性2名の美しさに驚きを隠せないでいた。
藤沢大量殺人事件も子鬼のようなクソ猿が犯人だと思われていからた。
これほどの女なら直ぐに見つかるだろうと公開捜査に踏み切るも一向に犯人の目撃情報も足取りも掴めなかった。
湘南市近郊の主な任侠団体は隣国から流れてきた大陸系マフィア、半グレ集団の仁義なき傍若無人さに腹を据えかねていた。
関東黄桜会の2次団体、黄桜藤沢一家山田錦組に奇妙な客人2名が居着いた。
その日から3日後、どういう理由か湘南市及び近郊に巣食っていた大陸系マフィア及び半グレ集団が消滅してしまった。跡形もなく。
女2人は山田錦組が所有する高層マンション上階層全フロア及び最上階(屋上)の使用権利を得た。
「これでこの世界の足掛りができたわ」
「皆んなお待ちかねよ。呼びに行きましょ」
女2人は屋上からステルス型マルチコプターに乗り込むと何処かへ消え去っていく。
女神に好かれた男 ぶるーすにゃんこ @yazawakun
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。女神に好かれた男の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます