蚊人類

@yomogichan1234

第1話 人類滅亡

デジタル化が進む現代社会で、あらゆる生物の生きる価値が人間によって問われる。

生物はなんのために生きているのか、例えば、蜂は花が授粉するために花粉を運ぶ、生態系の頂点にいるライオンはいなくなるとバランスが崩れる。

このように生物は何かしらの生きる意味がある。

ではなぜ蚊は存在するのか、地球上で最も人間を殺しているのは蚊だ。

蚊は存在価値が人間ではわからないのだ。

なぜなら、蚊は人間を殺すために生まれてきたからだ。


まだ暗い、とても暗い、ここには光りが差さない、いや指すことはないだろう。

くだらない、つまらない、生きる意味はあるのだろうか、いや、なぜ生きているのだろうか。

この町は荒んだ、ビルには雑草が生い茂りツタが張り巡らされている。ガラスは割れ、最も人が出入りをしていたオフィスも今となってはもぬけの殻。

ここだけじゃない全部だ。

俺はなぜ取り残された、親も兄弟も飼っていたペットでさえも俺を置いていく。

なのになぜ俺は今もここで荒んだ街を眺めている。

廃ビルの屋上で右手にはタバコ、左手は体より少し後側に手をつき座っていた。


もう何年経っただろうか、人と会話をしなくなってから。

時々自分の声を忘れてしまいそうで声を出してみる。

最初は声の出し方も忘れそうになる「あー!」

ホッとする。

つまり、この世界には俺しかいない。

俺が死ぬまでの話である。

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