11 最終話 何回か後の桜の季節の公園

 一馬とツバサとサツキの三人は公園にいた。

 桜吹雪が目の前を染め上げる。

 「なんで言い出しっぺが来てないんだ」

 ツバサが文句を言うとサツキは

 「私より先に家を出てたんだけどねえ」

 と言った。

 一馬が「まあ気長に待とうぜ」と言うと、なんでロボットなのに時間に間に合わないんだよ。とツバサは愚痴った。

 その時、「ごめんごめーん」とタケルの声がした。声の方を向くと、手には花が十六束。下半身は最新モデルのローラーでスイスイ近づいてくる。

 「さあみんなの墓に急ごうぜ」とタケルが言うと

  遅いよ。とツバサとサツキはむくれた。

 

 まだ肌寒い風が背中を押す中を、四人は笑いながら歩く。

 人間らしく自分の歩幅で。

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ロボットの教室 伽噺家A @cheap_txt

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