謀反の疑いをかけられた男が、自身の両親が犠牲となった過去の王太子夫妻暗殺事件の真相を国王の前で告発するという、衝撃的かつ印象的なシーンから始まるこの物語。
彼がどのように事件の真実を掴んだのか、調査の背景が本編で語られていきます。
マクシミリアンが好きです。
リセールの伊達男と異名を取るほど颯爽と華やかな風貌でありつつも、実は奥さんに弱かったり初めて子を持つことに戸惑って悩んだりするなど、人間味あふれる彼が好きです。
両親の顔を知らない彼が、自らのルーツを求めるようにその死の真相を追った理由も、その辺りにあるのでしょう。
作者さまの他作品と共通する世界観は、国の情勢、文化や信仰、経済など緻密に組み上げられており、嘆息します。
それでも小難しくならないのは、血肉の通った人々の視点を通して世の中が描かれているから。
彼らの息吹を感じ、まるでこの世界に入り込んだようなリアリティを味わえます。
はたして、事件の真相は如何に?!
この先の展開も非常に気になります!