第3話 ひくい。

バシンッ(ボールを取る音)


敵女子A「よいしょっと、、、」

シュッ…

奏(スリーポイント!!?)

スパンッ(ゴールに入る音)

奏「す、すごい。」

あの10番背番号の子、大きくてシュートの精度も高い、どうやって止めれば…

女子B「奏っ…切り替えていくよ!」

奏「は、はーい」


ダンダンダンッ…キュキュッ

キュッ ダンダン…


私の背はどう考えても低い…相手の大きさには勝てない。それはわかってる。なら、相手よりもっと速く!!速く動けばいい!!


女子B「奏っ!!」

奏「あいっい!!」

バシッ(パスを受け取る音)

敵女子Aと目が合う。

敵女子A「奏のマークあたしがつく。」

敵女子B「え、でも、沙羅 背が『gはkがj」し、絶対センターいた方が…」

敵女子A→沙羅「私はチームの勝ち負けとかじゃなくて、奏との勝負に勝ち負けをつけたいの!」

敵女子B「はぁ…沙羅がそこまであつくなっちゃあ止められないからね。後ろは私たちで守るから。全力でそのちびっこ叩きのめしな!」

沙羅「あーいっ」


ー周囲に異様な空気が流れる。ドリブルの音はしない。歓声も止まり、私と目の前にいる「大きな壁」しか、この世界にいないみたいにー。


沙羅「ふぅ…始めようか。奏っ!!」


ダンダンダンッ…キュキュッ…ダンダンダンッ…

沙羅(速いな、さっきと動きが違う)

ダンダン…キュッ…ダンダンダンッ…キュキュッ…

奏(マンツーマンの神ですかー-って、くらいついてくるのだが…んー-)


キュキュッ、

”見えたっ!!”


奏はシュートフォームに切り替える。

沙羅「何度やっても、同じことだってーの!!」

大きな壁が奏の前に立ちふさがる。   ニヤリ

奏「ここだぁー-!!」

くるん…シュッ…!!


奏の秘儀 『くるんシュート』

・シュートフォームを作り相手に飛ばさせタイミングをずらし、体を回転させシュートラインを自ら自分で確保し、その体勢のままシュートを放つ。横打ちともいわれる。


グキッィイ”!!

音がなくなる、視界も暗くなる。最後に目に映ったのは、『大きな壁』と残り時間2秒というタイマーの文字。


ばたんっ!

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私が、目が覚めたのはあれから、2時間後。保健室に運ばれて、足にはガッチガチに包帯がまかれている。あ、やばい、咲との約束が…行かなきゃ…。。

え…足動かない…。


沙羅「すー-zzz」

奏 ビクッ(大きな壁が寝てる)

奏「あ、あのー。」

沙羅「あたしはどうせ、大きな壁でしかないだぁあ、むにゃむにゃ」

寝言なのか…??てか、いま大きな壁って言ってなかった?私この人の前で言ってたかな??


ガラガラガラ

咲「奏!!大丈夫!?ケガはない??」

咲が早々と駆け寄る

奏「見ての通り、右足ガチガチマン」

咲「ありゃ…動かないの?」

奏「んー今はねー、少ししたら治るんじゃないかな??」

咲「帰りは病院、ついていってあげるから一緒に行くよ」

奏はやだやだーと駄々をこねる。

咲「それで、この大きな壁みたいな子は??」

沙羅「大きな壁っていわないで~(泣)zzz」

奏「寝ながら泣いてるし…」


保健室の町子先生「あら、起きたのね。奏さんあなた体育でまたヘンな体勢でシュート打ったでしょ~。重度の捻挫だから一応ちゃんと病院行きなさいね~。」

奏「はぁーい泣」

町子先生「それと、そこで爆睡状態の沙羅ちゃん。あなたが倒れた時すぐ抱えて保健室まで運んでくれたの。後でお礼言っときなさいよ。」


奏(沙羅ちゃんっていうのか、この壁ちゃん)

町子先生「ほらほら、はやくしないと病院しまっちゃうわよ。沙羅ちゃん寝ると中々起きないから、私が起こしとくから今日は、咲ちゃんと一緒に病院に行ってきなさい」

咲「町子先生、必ず、このへんてこシュートガールを、病院につれていきますであります!!」

町子先生「うん♪気を付けていくのよ~」


奏「咲ー。私の『欠け語』わかった気がする。」

咲「ほんと??」

奏「たぶんね~…」


===第4話 壁ちゃんへ つづく===

沙羅ちゃん「壁っていうなぁああああzzzz」




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みぎ。 奈流【ナル】 @narunarudayo

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