第2話 ライバル(?)登場?
「省吾!」
高校の氷の姫、桐木雪に抱き付かれてしまった男、篠宮省吾。
男子からは嫉妬と羨望の目線で見られ女子は雪の事を睨んでいる奴らが多数いた。
その篠宮省吾は…
(誰だこいつ?)とか思っていた。
(雪は人当たりが良く人懐っこい性格だった。こんなに塩対応なはずはない。(この間二秒))
(やっぱりお前だったかとか言ったけどやっぱり人違いだろうか?(この間僅か一秒))
「いや、やっぱり誰だお前…俺の知ってるユキじゃない。」
そうだ、人違いだ。
「は…?え…?私…省…吾…」
「そもそもユキはそんなに塩対応じゃなかった。貴女が桐木雪と言うのなら俺は信じる。だけど俺の幼馴染みはこんなに可愛げ無くなったのか?」
「…少し、付いてきて。」
「…分かった」
ユキ(らしきもの)に付いてきてと言われて付いていった先は屋上だった。
「さて…」
(自称)ユキが屋上に着いて数歩歩いた。
俺もそれに付いていった。そして…
「会いたかったんだからね…ショーゴ…!?」
パァッと花が咲いたように笑った。
確信した。間違いなくこいつは俺の幼馴染みの桐木雪だ。
「なんでお前は俺以外にそんなに人当たりが良く無いんだ?昔は違かっただろうに…?」
「強いて言うならショーゴの所為だよ。」
「僕の所為?」
「ショーゴが居なくなってショーゴの事をずっと考えていたら周りの男共が羽虫に見えてきたの。だからショーゴ…」
一体何をする気だろう…?僕に対する制裁だと思うが…。
「ギューってしても…良い?」
そんなこと昔からしてたのに…もう良いんじゃん。
まぁ、それで満足するなら良いか。
「良いぞ…それぐらいだったら別に。」
「やったぁ…ウフフ…ショーゴぉ…」と、抱き締められた。
そのまま僕が弁当を食っていると…。
「ユキさんから離れろ!」
…謎の青年(イケメン)が殴り掛かってきた。
「…なにお前。なんで殴り掛かってくるん?」
まぁ、受け止めるんだけども。
「なっ!?」
「殴り掛かってくるって事はさ…」ニヤリと、俺は笑って言った。
「殴られる覚悟があるってことさね?」
殴る拳に殺意を乗せて殴ればとても痛いと言うことを聞いたことはないか?
その話は本当だ。オモイが乗ればそのオモイの重さによって痛みが変わる。
「フッ…!」
殴る寸前に寸止め…。
「アピャ…」
寸止めで気絶、そして失禁した。
「…ダサいなこいつ。」
こいつはダメだ。ダメダメのメーだ!
「こいつさ~私にずっと付きまとってくるからウザかったんだよね…」
「じゃあ今回の件でお前から手を引いてくれるよな。」
「いや、多分もっと接触してくると思うよ。」
「…今のうちに消して置いた方がいいかな…?」
「そんな物騒な…ショーゴこんな感じだったっけ?」
「っ!?」
不覚にもドキッとしてしまった。
ユキは中学時代を知らないからな…危なかった。
不良だったことは隠さなくては…
氷の姫と自称普通の男子高校生の恋愛事情 モブのらいらい @rairaisan
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