ソムニウムの雷

@mukade01

第1話 過去の英雄

  ソムニウム皇国南方のメリディエス基地

 

 

 慌ただしく基地内を走る作業服を着た青年がパイロットスーツを装備している兵士2人に声を掛ける。

「フォルテ大尉!メッサー少佐を見かけませんでしたか?」

声をかけられた兵士の横で装備していた者が遮るように「メッサー少佐なら食堂近くの喫煙所におられましたよ」と答える。 

青年は礼を言うと急いで基地内移動用のリアカーに乗り去っていった。

 



 




男は今日は何のガムにしようかと陳列されたガムを眺めていた

「あらメッサー今日は試験飛行の日じゃ

無いのかい?」

と売店の中年の女性が話しかけてきた。


「え、試験って今日だっけ?

もう完全に遅刻じゃん」


赤茶色の髪をした軍人が答える。


時計は9時を過ぎており、メッサーはこれはまたドヤされるなと思い足早にレジに向かい、いつものりんご味のガムを購入し店をあとした。 



気怠げに格納庫のほうに向かって歩き出そうとした時正面からリアカーが走ってきて運転している者に呼び止められた



「メッサー少佐!何やってるんですか!試験飛行場に出発する時間30分も過ぎてますよ!早く乗ってください」


と結構な大きさの声で叫んできた



まともに取り合うと面倒くさい事になるので「済まない」と一言だけ言いリアカーに乗り格納庫に向かった


格納庫に着くなりブレイバー整備長ボルトに小言を散々言われたあと、試験を行う海岸沿いの近くにある駐屯地へと向かう為輸送艦に機体を載せ出発した


2時間ほど空を飛んだあとルーチェ伯爵領の南西にある漁業で栄えている街ピスカ近くの駐屯地到着した。



到着早々もう機体を下ろしているもの達がいた、ブレイバーの研究•制作工房「トニトゥルス」のエンジニア達だ



今回の試験機体5機はトニトゥルスと皇国軍の共同開発で制作を進めている為数十人ほど出張してきている、先ほどのガキ…シャックスもトニトゥルスのエンジニアだ


エンジニアや整備士達が作業している隅に駐屯地所属と思われるパイロット達がベンチ座ってる談笑をしていた


新型機が珍しいのか、かなり話が盛り上がっていたが俺が近くを通ろうとすると侮蔑に満ちた目でこちらを睨み聞こえる声で「軍の面汚しがのこのこ」と罵られた。 


「ここでもか」と誰にも聞こえない大きさでメッサーは呟き、試験飛行のミーティングルームへと向かった。





ミーティングでは試験目的・試験内容・禁止事項などが明記された電子ペーパーが配布され、担当エンジニア達が各機体の説明をしトニトゥルスの工房長とウチの整備長が〆てミーティングは終了した。


「メッサー・ハルトマン少佐少し良いかしら」

と赤髪の気の強そうな女性に呼び止められ、メッサーは振り向いた


「はい、イリミア主任設計士なんでしょうか?」


「なんでしょうかってあなたねぇ!前回のSB-40Aの試験飛行の時何をやった忘れてとは言わせないわよ!」



ぐうの音も出ないな


事実前回の試験飛行で試験機体で禁止されている600m以下の低空飛行やアクロバットな飛行をしてしまっているのだから、謝罪するしかない。


「主任設計士、前回は申し訳ありませんでした。」


「正確には前回「も」ですけどねハルトマン少佐。

まぁいいわ今回はSB-40Aだけ2日掛けてデータを取りますからそのつもりで準備していてください、

遅れている分取り返すのだからくれぐれも遅刻などはしないで下さいね」



年下女性にここまで言われるのはキツイなと思いながら


「了解しました、肝に銘じておきます

主任設計士。」

と言いそそくさとミーティングルームから抜け、更衣室でパイロットスーツに着替え格納庫に向かった。


格納庫に向かうと最奥にメッサーが担当する機体が鎮座していた。 

第四世代ブレイバー試験機体SB-40A「ラルバ」


皇国では第三世代が主力になりつつある現状で第四世代機の試験機だ。 


第三世代のブレイバーにはある背部主翼がなく、リベロラピスと呼ばれる通電すると浮力を得る性質を持つ希少鉱物を全身のフレームに採用しており主翼が無くても、浮力を得ることができ飛行の自由度が遥かに上がっている


もちろんデメリットもある浮力を得るには恐ろしく電力を食う、その為大型の炉が必要になり小型化が出来ないというものだ。


そのほかにもリベロラピスの採掘量がごく僅かで中々調達出来ないなど根本的な問題も多々あるがブレイバーとしてはとても優秀だ。


その為ついつい性能を確かめたくなって問題行為を行なってしまったのだが…


と、そうこう想いにふけている内にメッサーの試験飛行の時間になった………






「今回はこちら側の指示通り乗ってくれましたねお陰でスケジュール通り進めそうです」


「ありがとうございます」


「それでは予定通り明日もラルバの試験飛行はここからメリディエス司令基地迄ですお願いしますハルトマン少佐」


「了解しました」


イリミアと別れた後はいつものガムを食べながら宿舎に向かってすぐに床に就いた。







翌日早朝  ピスカの街 漁港近く



「おっさかなーあさからおーさかなー」


猫耳と尻尾を生やした小柄な女性が気分よくスキップし


ながらお気に入りの釣りスポットに向かっていた。


「お前仕事でも魚釣ってんのに

休みの日にも魚釣るのかよミース」 と横にいる身長180cmを超える体に馬に似た耳が頭部に有る女性がからかうようにつぶやいた。



「1ねん365にちまいにちさかなの

ことをかんがえるのがねこぞくの

おきてなんだよ?カノア」



「そんなこと考えてるのミースだけだろ」



「じゃありょうしのおきて」



「それじゃあアタシも魚のことで

頭いっぱいにしなきゃなぁ」



そんなこんな冗談(一部本気)を言い合ってる内に2人はお気に入りの場所の目前の道路まで来ていたが2人は足を止める、その先には一台のSUVが停まっていた



「ガリスの方が早かったか」とカノアが呟くと



ドアが開きガリスと呼ばれるものが降りてきた



ミースより一回り以上大きく体つきもしっかりしている



「よお久しぶりだな」



ガリスが2人に声をかける



「ひさしぶりーガリス〜 ぐんのおしごとは

どうなの? あぶないこととかしてない?」





「まぁ程々だな哨戒任務ばっかりだから

つまんねぇけど危ないことはやってねぇな」



とガリスがミースな問いに答える



「そんなことより早く釣り行こうぜ!」


ガリスがそう言うと3人は釣りスポットに向かい釣り始めた。








ピスカの街 漁港   午前7時過ぎ


「ふぅー結構釣ったなぁ」


「ガリスすくない」


「おいおいプロと素人を比べるなよぉ 

オレは軍人だぞ食べる専門だぜ」



「んーにしてもこれだけ釣ってお前らの胃袋

だと一瞬で消えてなくなるな」




そうこうしてると時間も経ったこともあって流石に釣り人も増えてきたので3人は解散する事にして帰宅する準備をし始めた。



ガリスが家まで送ってくれるのでミースとカノアは魚入ったクーラーボックスをトランクに積み込み座席に座ろうとしたその時、


ボッ!!シャーーーー 


という音が連続して何度も聞こえてきた



「なにこのおと?」


ミースが猫耳を海の方に向けたあと


ガリスの方に振り返るとガリスが焦りながらエンジンかけて急発進した。


カノアもミースと慌ててベルトをつけガリスに尋ねる

 


「ガリスどうしたんだこんなにスピードを

出して危ないだろ」



ガリスは青ざめた顔で答える



「ありゃ巡航ミサイルの音だ!!」




 













 








 







 






 

















 


.         ソムニウムの雷  



 ソムニウム皇国南方のメリディエス基地

 

 慌ただしく基地内を走る1人の真面目そうな10代後半の青年がパイロットスーツを装備している兵士に声を掛ける。

「フォルテ大尉!メッサー少佐を見かけませんでしたか?」

声をかけられた兵士の横で装備していた者が遮るように「メッサー少佐なら食堂近くの喫煙所におられましたよ」と答える。 

青年は礼を言うと急いで基地内移動用のリアカーに乗り去っていった。

 



 




男は今日は何のガムにしようかと陳列されたガムを眺めていた

「あらメッサー今日は試験飛行の日じゃ無いのかい?」と売店の中年の女性が話しかけてきた。


「え、試験って今日だっけ?もう完全に遅刻じゃん」


赤茶色の髪をした軍人が答える。


時計は9時を過ぎており、メッサーはこれはまたドヤされるなと思い足早にレジに向かい、いつものりんご味のガムを購入し店をあとした。 



気怠げに格納庫のほうに向かって歩き出そうとした時正面からリアカーが走ってきて運転している者に呼び止められた



「メッサー少佐!何やってるんですか!試験飛行場に出発する時間30分も過ぎてますよ!早く乗ってください」


と結構な大きさの声で叫んできた



まともに取り合うと面倒くさい事になるので「済まない」と一言だけ言いリアカーに乗り格納庫に向かった


格納庫に着くなりブレイバー整備長ボルトに小言を散々言われたあと、試験を行う海岸沿いの近くにある駐屯地へと向かう為輸送艦に機体を載せ出発した


2時間ほど空を飛んだあとルーチェ伯爵領の南西にある漁業で栄えている街ピスカ近くの駐屯地到着した。



到着早々もう機体を下ろしているもの達がいた、ブレイバーの研究•制作工房「トニトゥルス」のエンジニア達だ



今回の試験機体5機はトニトゥルスと皇国軍の共同開発で制作を進めている為数十人ほど出張してきている、先ほどのガキ…シャックスもトニトゥルスのエンジニアだ


エンジニアや整備士達が作業している隅に駐屯地所属と思われるパイロット達がベンチ座ってる談笑をしていた


新型機が珍しいのかかなり話が盛り上がっていたが俺が近くを通ろうとすると侮蔑に満ちた目で聞こえる大きさで「軍の面汚しが」と罵られた。 


「ここでもか」と誰にも聞こえない大きさで呟き、試験飛行のミーティングルームへと向かった。





ミーティングでは試験目的・試験内容・禁止事項などが明記された電子ペーパーが配布され、担当エンジニア達が各機体の説明をしトニトゥルスの工房長とウチの整備長が〆てミーティングは終了した。


「メッサー・ハルトマン少佐少し良いかしら」

と赤髪の気の強そうな女性に呼び止められ、メッサーは振り向いた


「はい、イリミア主任設計士なんでしょうか?」


「なんでしょうかってあなたねぇ!前回のSB-40Aの試験飛行の時何をやった忘れてとは言わせないわよ!」



ぐうの音も出ない


事実前回の試験飛行で試験機体で禁止されている600m以下の低空飛行やアクロバットな飛行をしてしまっているのだから、謝罪するしかない。


「主任設計士、前回は申し訳ありませんでした。」


「正確には前回「も」ですけどねハルトマン少佐。

まぁいいわ今回はSB-40Aだけ2日掛けてデータを取りますからそのつもりで準備していてください、

遅れている分取り返すのだからくれぐれも遅刻などはしないで下さいね」



年下女性にここまで言われるのはキツイなと思いながら


「了解しました、肝に銘じておきます主任設計士。」

と言いそそくさとミーティングルームから抜け、更衣室でパイロットスーツに着替え格納庫に向かった。


格納庫に向かうと最奥にメッサーが担当する機体が鎮座していた。 

第四世代ブレイバー試験機体 SB-40A「ラルバ」


皇国では第三世代が主力になりつつある現状で第四世代機の試験機だ。 


第三世代のブレイバーにはある背部主翼がなく、リベロラピスと呼ばれる通電すると浮力を得る性質を持つ希少鉱物を全身のフレームに採用しており主翼が無くても、浮力を得ることができ飛行の自由度が遥かに上がっている


もちろんデメリットもある浮力を得るには恐ろしく電力を食う、その為大型の炉が必要になり小型化が出来ないというものだ。


そのほかにもリベロラピスの採掘量がごく僅かで中々調達出来ないなど根本的な問題も多々あるがブレイバーとしてはとても優秀だ。


その為ついつい性能を確かめたくなって問題行為を行なってしまったのだが…


と、そうこう想いにふけている内にメッサーの試験飛行の時間になった………






「今回はこちら側の指示通り乗ってくれましたねお陰でスケジュール通り進めそうです」


「ありがとうございます」


「それでは予定通り明日もラルバの試験飛行はここからメリディエス司令基地迄ですお願いしますハルトマン少佐」


「了解しました」


イリミアと別れた後はいつものガムを食べながら宿舎に向かってすぐに床に就いた。







翌日早朝  ピスカの街 漁港近く



「おっさかなーあさからおーさかなー」


猫耳と尻尾を生やした小柄な女性が気分よくスキップし


ながらお気に入りの釣りスポットに向かっていた。


「お前仕事でも魚釣ってんのに休みの日にも魚釣るのかよミース」 と横にいる身長180cmを超える体に馬に似た耳が頭部に有る女性がからかうようにつぶやいた。



「1ねん365にちまいにちさかなのことをかんがえるのがねこぞくのおきてなんだよ?カノア」



「そんなこと考えてるのミースだけだろ」



「じゃありょうしのおきて」



「それじゃあアタシも魚のことだ頭いっぱいにしなきゃなぁ」



そんなこんな冗談(一部本気)を言い合ってる内に2人はお気に入りの場所の目前の道路まで来ていたが2人は足を止める、その先には一台のSUVが停まっていた



「ガリスの方が早かったか」とカノアが呟くと



ドアが開きガリスと呼ばれるものが降りてきた



ミースより一回り以上大きく体つきもしっかりしている



「よお久しぶりだな」



ガリスが2人に声をかける



「ひさしぶりーガリス〜 ぐんのおしごとはどうなの?

あぶないこととかしてない?」





「まぁ程々だな哨戒任務ばっかりだからつまんねぇけど危ないことはやってねぇな」



とガリスがミースな問いに答える



「そんなことより早く釣り行こうぜ!」


ガリスがそう言うと3人は釣りスポットに向かい釣り始めた。








ピスカの街 漁港   午前7時過ぎ


「ふぅー結構釣ったなぁ」


「ガリスすくない」


「おいおいプロと素人を比べるなよぉ オレは軍人だぞ食べる専門だぜ」



「んーにしてもこれだけ釣ってお前らの胃袋だと一瞬でなくなるな」




そうこうしてると時間も経ったこともあって流石に釣り人も増えてきたのだ解散する事になった



ガリスが家まで送ってくれるのでミースとカノアは魚入ったクーラーボックスをトランクに積み込み座席に座ろうとしたその時、



「なにこのおと?」


ミースが猫耳を海の方に向けたあと


ガリスの方に振り返るとガリスが焦りながらエンジンかけて急発進した。


カノアもミースと慌ててベルトをつけガリスに尋ねる

 


「ガリスどうしたんだこんなにスピードを出して

危ないだろ」



ガリスは青ざめた顔で答える



「ありゃ巡航ミサイルの音だ!!」



 













 








 







 






 







ソムニウム皇国南方のメリディエス基地

 

 慌ただしく基地内を走る1人の真面目そうな10代後半の青年がパイロットスーツを装備している兵士に声を掛ける。

「フォルテ大尉!メッサー少佐を見かけませんでしたか?」

声をかけられた兵士の横で装備していた者が遮るように「メッサー少佐なら食堂近くの喫煙所におられましたよ」と答える。 

青年は礼を言うと急いで基地内移動用のリアカーに乗り去っていった。

 



 




男は今日は何のガムにしようかと陳列されたガムを眺めていた

「あらメッサー今日は試験飛行の日じゃ無いのかい?」と売店の中年の女性が話しかけてきた。


「え、試験って今日だっけ?もう完全に遅刻じゃん」


赤茶色の髪をした軍人が答える。


時計は9時を過ぎており、メッサーはこれはまたドヤされるなと思い足早にレジに向かい、いつものりんご味のガムを購入し店をあとした。 



気怠げに格納庫のほうに向かって歩き出そうとした時正面からリアカーが走ってきて運転している者に呼び止められた



「メッサー少佐!何やってるんですか!試験飛行場に出発する時間30分も過ぎてますよ!早く乗ってください」


と結構な大きさの声で叫んできた



まともに取り合うと面倒くさい事になるので「済まない」と一言だけ言いリアカーに乗り格納庫に向かった


格納庫に着くなりブレイバー整備長ボルトに小言を散々言われたあと、試験を行う海岸沿いの近くにある駐屯地へと向かう為輸送艦に機体を載せ出発した


2時間ほど空を飛んだあとルーチェ伯爵領の南西にある漁業で栄えている街ピスカ近くの駐屯地到着した。



到着早々もう機体を下ろしているもの達がいた、ブレイバーの研究•制作工房「トニトゥルス」のエンジニア達だ



今回の試験機体5機はトニトゥルスと皇国軍の共同開発で制作を進めている為数十人ほど出張してきている、先ほどのガキ…シャックスもトニトゥルスのエンジニアだ


エンジニアや整備士達が作業している隅に駐屯地所属と思われるパイロット達がベンチ座ってる談笑をしていた


新型機が珍しいのかかなり話が盛り上がっていたが俺が近くを通ろうとすると侮蔑に満ちた目で聞こえる大きさで「軍の面汚しが」と罵られた。 


「ここでもか」と誰にも聞こえない大きさで呟き、試験飛行のミーティングルームへと向かった。





ミーティングでは試験目的・試験内容・禁止事項などが明記された電子ペーパーが配布され、担当エンジニア達が各機体の説明をしトニトゥルスの工房長とウチの整備長が〆てミーティングは終了した。


「メッサー・ハルトマン少佐少し良いかしら」

と赤髪の気の強そうな女性に呼び止められ、メッサーは振り向いた


「はい、イリミア主任設計士なんでしょうか?」


「なんでしょうかってあなたねぇ!前回のSB-40Aの試験飛行の時何をやった忘れてとは言わせないわよ!」



ぐうの音も出ない


事実前回の試験飛行で試験機体で禁止されている600m以下の低空飛行やアクロバットな飛行をしてしまっているのだから、謝罪するしかない。


「主任設計士、前回は申し訳ありませんでした。」


「正確には前回「も」ですけどねハルトマン少佐。

まぁいいわ今回はSB-40Aだけ2日掛けてデータを取りますからそのつもりで準備していてください、

遅れている分取り返すのだからくれぐれも遅刻などはしないで下さいね」



年下女性にここまで言われるのはキツイなと思いながら


「了解しました、肝に銘じておきます主任設計士。」

と言いそそくさとミーティングルームから抜け、更衣室でパイロットスーツに着替え格納庫に向かった。


格納庫に向かうと最奥にメッサーが担当する機体が鎮座していた。 

第四世代ブレイバー試験機体 SB-40A「ラルバ」


皇国では第三世代が主力になりつつある現状で第四世代機の試験機だ。 


第三世代のブレイバーにはある背部主翼がなく、リベロラピスと呼ばれる通電すると浮力を得る性質を持つ希少鉱物を全身のフレームに採用しており主翼が無くても、浮力を得ることができ飛行の自由度が遥かに上がっている


もちろんデメリットもある浮力を得るには恐ろしく電力を食う、その為大型の炉が必要になり小型化が出来ないというものだ。


そのほかにもリベロラピスの採掘量がごく僅かで中々調達出来ないなど根本的な問題も多々あるがブレイバーとしてはとても優秀だ。


その為ついつい性能を確かめたくなって問題行為を行なってしまったのだが…


と、そうこう想いにふけている内にメッサーの試験飛行の時間になった………






「今回はこちら側の指示通り乗ってくれましたねお陰でスケジュール通り進めそうです」


「ありがとうございます」


「それでは予定通り明日もラルバの試験飛行はここからメリディエス司令基地迄ですお願いしますハルトマン少佐」


「了解しました」


イリミアと別れた後はいつものガムを食べながら宿舎に向かってすぐに床に就いた。







翌日早朝  ピスカの街 漁港近く



「おっさかなーあさからおーさかなー」


猫耳と尻尾を生やした小柄な女性が気分よくスキップし


ながらお気に入りの釣りスポットに向かっていた。


「お前仕事でも魚釣ってんのに休みの日にも魚釣るのかよミース」 と横にいる身長180cmを超える体に馬に似た耳が頭部に有る女性がからかうようにつぶやいた。



「1ねん365にちまいにちさかなのことをかんがえるのがねこぞくのおきてなんだよ?カノア」



「そんなこと考えてるのミースだけだろ」



「じゃありょうしのおきて」



「それじゃあアタシも魚のことだ頭いっぱいにしなきゃなぁ」



そんなこんな冗談(一部本気)を言い合ってる内に2人はお気に入りの場所の目前の道路まで来ていたが2人は足を止める、その先には一台のSUVが停まっていた



「ガリスの方が早かったか」とカノアが呟くと



ドアが開きガリスと呼ばれるものが降りてきた



ミースより一回り以上大きく体つきもしっかりしている



「よお久しぶりだな」



ガリスが2人に声をかける



「ひさしぶりーガリス〜 ぐんのおしごとはどうなの?

あぶないこととかしてない?」





「まぁ程々だな哨戒任務ばっかりだからつまんねぇけど危ないことはやってねぇな」



とガリスがミースな問いに答える



「そんなことより早く釣り行こうぜ!」


ガリスがそう言うと3人は釣りスポットに向かい釣り始めた。








ピスカの街 漁港   午前7時過ぎ


「ふぅー結構釣ったなぁ」


「ガリスすくない」


「おいおいプロと素人を比べるなよぉ オレは軍人だぞ食べる専門だぜ」



「んーにしてもこれだけ釣ってお前らの胃袋だと一瞬でなくなるな」




そうこうしてると時間も経ったこともあって流石に釣り人も増えてきたのだ解散する事になった



ガリスが家まで送ってくれるのでミースとカノアは魚入ったクーラーボックスをトランクに積み込み座席に座ろうとしたその時、



「なにこのおと?」


ミースが猫耳を海の方に向けたあと


ガリスの方に振り返るとガリスが焦りながらエンジンかけて急発進した。


カノアもミースと慌ててベルトをつけガリスに尋ねる

 


「ガリスどうしたんだこんなにスピードを出して

危ないだろ」



ガリスは青ざめた顔で答える



「ありゃ巡航ミサイルの音だ!!」





 










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ソムニウムの雷 @mukade01

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ