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僕は、この暗闇の中で生まれた。まだ生まれて間も無い筈なのに、大人の様考える事が出来、もう何年も生きている気がする。一つ、僕には欲求があった、外に出たいという欲求である。「外の世界」というものがあるのか分からないのに、知り得ない世界に憧れを抱く。僕が外の世界へと産み落とされるのは、いつだろうか…いや、このまま此処で死ぬのだろう。
無数の「何か」が脳を、肉体を喰らいながら、ゆっくりと。僕は生前に罪でも犯したのだろうか。ならばあんまりでは無いか、覚えの無い罪を償わされるなんて。
あぁ、外の世界を知りたい、一日だけで良い、その後死ぬ事になっても良い。
そんな僕の願いが届いたのか、ゴソゴソという音と共に、小さな話し声が聞こえる、やがて光が差し込んだ。
僕を救った救世主は、ランタンを持つ、薄汚い男たちであった。
棺 粉人形 @backerstrife
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