異世界で開いた甘味処は大繁盛。店の主人ロッティが振る舞うのは、前世で習ったおばあちゃん直伝レシピ。
「おいしくなあれ」の願いを込めた、体も心も癒してくれる絶品のあんまんです。
様々な人や、ヒトならざる愉快な常連さんに囲まれ、お店は順風満帆。
恋愛方面にはちょっとニブい彼女ですが、料理の腕は本物です。新メニューの開発にも余念がありません。
でも実は、そんなロッティの身に大きな危険が迫っていたのでした。謎の人物の正体は? 前世との因縁は? どうなる、ロッティ!
異世界の設定が美しく、うっとりと想像をかき立てます。また、登場人物がみんなとても魅力的。終盤での謎の解明と戦いはいろんな意味でゾクゾクしました。
そして何より、出てくるスイーツやお茶がどれもとっても美味しそう!
普段は断然肉まん派の私ですが、久々に「あんまん」を買って食べました。
本作には、甘味処なるものが登場します。
お店はシャルロット=リシューが男爵令嬢でありながらてんてこ舞いにただいまオープンしております。
お店の名前は『ひつじぐも』です。
作中、羊雲の表記をそんなに甘いものが食べたかったのか、飯テロ効果で羊羹に見えた次第です。
異世界にも小豆のようなものがあり、あんこから手品のように品々を出してくれます。
そして、きゃっきゃうふふとでも言いましょうか、わちゃわちゃとでも言いましょうか、皆さん、『!』を多用し、溌剌としております。
一話に一つは巧に表現された旨みの詰まった段落があります。
個人的には勉強になり、またこれでご飯が進みそうです。
いや、おかずは食べないと、リバウンドしちゃうよね。
楽しくて、想いの詰まった本作、是非、ご一読ください。
こちらは異世界甘味処『ひつじぐも』。主人公・ロッティが作るあんまんが看板メニューです。
小豆によく似たレビンという豆を蒸して作るあんまんの、なんて美味しそうなこと……!
他にも、異世界ならではのユニークな食材でありながら、ちゃんと私たちの食欲を刺激してくれるメニューが次々に登場。
読めば必ず、美味しい気持ちに心がふんわり満たされます。
ロッティを巡る人間関係も、愉快なキャラが多くて楽しく読み進められます。
不思議な動植物、大いなる魔法、王国に冒険者などなど、異世界ならではの魅力がふんだんに詰まってます。
可愛らしいロッティがおもてなししてくれる、可愛くて美味しいほっこり異世界グルメ小説。お気に入りのお茶と共にいかがですか?