MARENOL(非公式)
簪
第1話
彼女は極度の鬱状態の中にいた。
まるでそれは底の見えない水槽🪹の中にいるかのような
だがやはり、満たされない。
そんな、もの。
沢山の人の目👁。生まれた時からもう逃げられないという
死ぬという、勇気が出ない。
そしてまた、日は明けていく。
白く低いベット🛏。座高こそは低いが、厚いマットによってその重さが刻々と伝わってくる。ソレを照らすのは部屋の電気ではなく微かな火🔥。
その火というのも命の紐が短いようで、ユラユラと宙を舞っている。
また眠くなってきた。
あの痛さは、あの恐怖は、あの快感は………
夢の中でしか味わえない。
気づけば彼女は、線路の上に立っていた。
周りは赤く染まっており、場所は鮮明としない。
だがその代わりに、周りからは絶え間なく視線が向けられていた。
一つ一つを特定するのには骨が折れるほど。これも薬💊の
その目は、遠くから来る電車🚅を見るや否や、少女へと一斉に視線を向ける。
ガタンゴトン
そのことに、彼女は気づかない。
見ているのは四角い画面一点のみ。
そしてあっという間もなく
キャァァァァァァァァァ
電車は躊躇うことなく彼女の上半身を吹き飛ばした。
先に裂けたのは右脇腹だったらしく、左の方は微かながらにも皮膚が糸🧵のように伸びている。又内臓は惜しくも完全に残るということはないらしく、胃だけが黄色い🟡胃液を血液に混ぜ合わされ線路の脇にある石から煙を出す。
電車が通り終わった後の惨状には興味がないのか、目らはすぐに視線を移す。
人がいつも視覚的に三次元を二次元として捉えているなどとはよく言ったものだが、彼らの求めているのは視覚の他にも、目の保養。
果たしてあのような場面で気持ちいいなどという人がいるのかはわからないが、少なくともこの目は、求めてはいる。
意識と意識が繋ぎ止められる為には海🌊に潜らないといけないのか。
少女は、沈み始めた。
下へ、下へ、下へ………↓
肺に空気は残っているはずなのに、体は浮かない。周りにあるのはソレを憐れむような気泡。
ケケケケ☺︎
笑い声が聞こえる。
どこからともなく、目しかないこの世界に。
意識が別の場所へと移る。
両手両足共に固定されており、隣には大きな歯車が二つ。それはどんどん彼女へと近づいてきており、それはもはや触れ合いそうな程。
いや、いや、いや……
遂に歯車⚙が噛み合ったかと思いきや、少女は声を上げない。
ゴリュ、ゴリュと
彼女の体を削っていく。
必死に口は開く。
だが、その声を受け取る者などいない。あるのは視姦するかのような目だけ。
受け取る者がいなければその声は心♡に響かない♡
MARENOL(非公式) 簪 @Miebara
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