日記
明日花
物語にしないと
息が詰まるのとは少し違う。息をしているのに苦しい。これだと思う。
息を吸っても楽にはならず、吐いても動悸が収まらない感覚。
いつも何かに追われているようで、見えないものと葛藤しているのかもしれないけど、はた目には何の問題もない、そして何を考えることもしていない自分がいるだけ。
そういうときにこの言葉をつづる作業に入る。間違えても書き連ねる。
もっと早く言葉を打てればいいのにと思うけれど、この速さでやっぱりいい。
物語にするほどの日常の大きなターニングポイントではないけれど、何もかもから逃げたいとき、思考放棄したいとき、心が埋められないときにこの作業はとても染み渡る。
頭の中がクリアになっていくからかもしれない。
何もせずただ昏々と眠り続ける日が欲しい。
数日もすれば、また羽ばたく気にもなるだろうけど、休みもなしに飛び続けるのは未来を見ていない愚行でもあるんじゃないだろうか。
簡単な言葉でも、複雑な言葉でもいいけど、人の心に届く言葉がほしい。手に入れたい、身に着けたいと思う。それくらいならきっと、人に誇っていい個性になると思うから。
日よ、まだ行かないで。追いかける足はまだうごけないでいるのに。
憐れみを注ぐよりも、立ち止まって見つめてくれるなら、
そこに見守るものがあるなら、それだけでもいいのだと知っている。
日記 明日花 @kurarisuta
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