第19話甦り
四十九日迄はこの世でウロチョロしてるので昔、世話になった連中に会いに行こうかな。
先ずはペットショップやけど、廃業してから更地になってた。これじゃ挨拶もできない。
二年間もタダ飯食わせて貰ったから恩義はあるんやけど、右も左も分からんかった頃で単調やったけど、犬社会のイロハも教えて貰ったり楽しかったな。
親父、お袋はもう無くなってると思うからあの世であえるかな。兄弟達今頃どうしてるかな。
次は飼い主さんや。
テレポートやからあっという間に到着する。
今は夜、もう寝てるかな。スーッと玄関をすり抜ける。一応言っとくけど俺今プラズマの状態や。現世で怨念が篭もってると朱くなる。俗に言う火の玉や。普通は無臭、無害なもんや。
ここに住み家のケージがあった。
既に無いな。当たり前か。カタッ、おっと足を引っかけてしまった。なんだえさ箱か。
音がしたから二階からパパさんが下りてきた。
回りを見わたして目が合ったようだけど何もないから戻っていった。
すると、玄関で音がするとママさんに言ってた。まだアイツがいるような気がするとも。
こうやって俺も記憶の中で生きることになるんやな。何時までも忘れんといて。
世話になった皆にも会ってきたし、ソロソロ天国にいく時間になった。
と思ったら前に犬の神様がいた。
そんで、俺に言ったのは、
人間の神様と話し合いしてきたんやけど、人間の方に空きができたので今度は人間に憑依してくれ。とか。
エー! 人間、もうたくさん。
ワンコの一生(人間の言葉を理解する犬の物語) 河原ジョー @tg_naka_66
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