第7話 カクヨムコン前半を終えて 

 ご無沙汰しております。恥ずかしながら戦場より帰ってまいりました!


 いい小説を書く為にお金を払った、例の添削サービス利用の結果「扱ってきた小説の中では三本の指に入る」と「ABCDのD判定」の両極端をもらった小説ですが、前回のご報告の通り、供養も込めて、カクヨムに投稿しており、12月17日に投稿が完結いたしました。


『古文書屋文玲堂日記 ~その侍は欧州最弱の城で、いかにして世界最強の陸軍を迎え撃つのか~』

https://kakuyomu.jp/works/16817330649344730701


 果たしてD判定と言われる位、面白くないのか?


 それとも三本の指に入る筆力は、お世辞だったのか?


 二回目の結果発表です!!


 なんと、この作品、ここカクヨムに僅かにいらっしゃるマイナー歴史好きの方に愛され、2022年12月27日に、ななな、なんとなんと、歴史・時代・伝奇ジャンルの10位に食い込むことに成功しました!


 本当にありがとうございます!!!!


 ……そして、翌28日、速攻でTOP10から消えました!!! はやいはやいw


 わずか一日の爪痕しか残せませんでした! 残念です。


 大変、喜ばしく嬉しいながらも、実は戸惑っています。


 果たして、カクヨム読者の大多数にとって、本当に面白かったのでしょうか? もちろん、作者は面白いと思って書いています。 


 何故、ABCDのD判定(一次落ち)と言われ、何故、三本の指に入る小説だったとも言われたのか。どちらかが正しく、どちらかが間違っていたのか?


 今回添削された結果「皆さんも添削サービスは受けたほうが悪癖が分かっていいよ」というのが、ボクの論旨なわけですが、添削する先生によって、両極端の答えが出るということについて、ずっと、もやもやとしたものも残りました。


 もしも、全く面白くない作品だったとしたら、D判定といった添削者が正しく、面白い作品だったとしたら三本の指に入るとした添削者が正しいと思います。


 読んでみていただいて、皆さん、いかがでしたでしょうか?


 少なくともカクヨムで歴史ジャンルで10位に入る。つまり「まあまあ、面白いんじゃないの?」と自信を持ってよいのかもしれない。という、そこはかとなく自画自賛して良さげな結果となりました。


 ならば、D判定とした添削者が間違っていたのか?


 についてですが、実はそうでもないことが判明しましたので、それも踏まえて、今回の顛末をダイジェストでお伝えします。




1.カクヨムコンの中で、どう振舞ったのか。


 実は、出だしは非常に苦労しています。11月から投稿をスタートさせています。元々、カクヨムコンに出すか迷った作品です。


 1日のPVが100を超えたら大喜びという日が、長い間続きました。初参加で、また、半年前からの参加のために、あまり固定ファンがいない中、見様見真似で参加しています。


 カクヨムの歴史ジャンルはPVは割とコンスタントにつくのですが、反応が全くもらえない日々でした。ですが、異世界ものに比較すると、ゼロということはなかったので、首をかしげながら進行します。


 しばらくは♥も★もそれほどもらえません。


 露出を増やすために1日2回投稿をしました。新着に一日に二回露出するので、それを使って、読者を増やそうとしました。外部から集客するツテがありませんので、露出からの読者増しか、方法がありませんでした。


 かなり弱気になっていました。やはり面白くないのかと。


 途中で、★を入れてくれる方が出始めたのは、カクヨムコンが始まった直後にレビューコメントがついてからでした。そこが最初の潮目になりました。


 まだ1話2話しか登場していないカクヨムコンの作品群の中で40話分の投稿と30人のフォロワーがいるというのは、かなり有利だったかもしれません。


 その後、もうひと方、レビューコメントを頂け、後押しするように、読者が増え、途中病気で倒れましたが、極力1日2回投稿を続けたので、読者離れも少なく、そのまま12月17日に完結しました。


 つまり完結後、10日経過してから、10位にランクインした形になります。


 いただけた応援コメントを見ると(「応援」という制約もありますが)、楽しんでいただけているようです。まったく知らない歴史でも、読者さんを楽しませたことは証明できたのかもしれないなと思います。


 で、このとき、周辺を見て、なかなか★がもらえない理由が判明しました。



2.カクヨムの読者はライト層であり、ジャンルは分類でしかない


 今回の作品は、一般文芸誌の公募でしたので、いわゆるラノベ要素が皆無に近いです。そして、歴史好きの人すら、あまり知らないというオランダの八十年戦争の序盤戦です。


 なので感想も「知らなかったなぁ」的になります。


 ここで分岐点があると思います。歴史小説好きは「知らない歴史に触れたい人」と「知っている歴史を使った小説を読みたい人」に分かれますが、後者が多数です。


 書店の本棚に魅力的に見えるのは「そんなに興味のない国の独立戦争時代に転生しました!」と「日本の戦国時代に転生しました!」のどちらを読むのかと言う話です。しかも転生していません。


 自分が、ハード歴史モノの中でも、ウルトラハード歴史モノを、知らずにやっていることに、この感想を通じて、ようやく気付いたわけです。


 どれだけ今回扱った戦いが、世界史の重要なポイントだとしても、ジャンヌもナポレオンも獅子王も出ません。教科書で教えない歴史を扱っています。名も知られていない市長と町娘です。


 で、ふと、気になって、12月29日時点で歴史ジャンルの1位から12位の作品を確認したところ、


1位:戦国×SF

2位:戦国×転生

3位:戦国×転生×魔法

4位:戦国×SF

5位:第二次世界大戦×転生?

6位:第二次世界大戦×転生?

7位:戦国×転生

8位:戦国×転生

9位:中世欧州×転生

10位:戦国×転生

11位:戦国×転生

12位:近世欧州×侍(ボクの作品です)


 です。異質なのは9位の作品くらいではないでしょうか。カクヨムの読者の多くは、明らかに知っている歴史の転生ものを求めています。これが読者の答えです。歴史ジャンルのラノベを期待しているのです。


 ……なぜ、そこにウルトラハード歴史モノを突っ込んだのか……。居心地の悪さが半端ない……。


 にも拘らず、最高10位にまで食い込んだとは、一体どういうことか。


 どんだけこの作品、読者に愛されてしまったんだ! と嬉しくなります! 


 ありがとうございます!


 次に、公募の下読みさんの気持ちになって考えてみました。


 これを読んで、たとえ下読みさんが面白いと思ったとしても、依頼してきた編集の人に「これが売れると思うの?」って聞かれたら、自信をもって答えられるのか?


 つまり、公募には「これ、売れるの?」「これから、来るの?」を返すだけのデータが下読みさんにはない訳です。


 だとしたら、他に売れそうなテーマや、読者層に迎合している小説を選ぶほうが、下読みの仕事として正しく、「ABCDのD」になるのは、致し方なしというところです。


 一方で、少なくともカクヨムコンという激戦の時間帯に10位に食い込んだというのは、決してマグレではないと思います。カクヨムの読者もそこまでぬるくはないはずです。面白いと思って評価をくださっていると思います。


 つまり、相応の筆力と面白さは「満たしていた」といえるかもしれません。歴史ジャンルに何作品あるかはわかりませんが、少なくとも10位にまで行けたというのは「三本の指に入る」と矛盾しません。


 つまり、「三本の指に入る筆力」と「ABCDのD」は、どちらも矛盾せずに、正解となりえるという……。


 恐ろしい話です。添削先生の眼力、すごいな!


 そして片方の添削先生はしきりに「次は日本史やったほうが絶対にいいよ」と言っていました。おそらく、そういうことでしょう。マイナーな歴史作品は、一次通らないよと、暗に言っていたのかもしれません。


 ということで、改めて、高額でしたが添削サービスは皆さんも、是非、受けるべきだと思いました。



 前半戦終了での感想は以上です。


 もしも、今回の今日までのこの経験が、明日の誰かの何らかの参考になれば。



 次回は生意気にも添削サービスを受けた視点で、他の作家さんの作品を見てみたときに、一体どうなのかをお伝えできる機会があればと思います。

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